動き出しが早いほど受注が増える
Windows 11マイグレーション・ビジネス

~心得その2~ PCのリプレース提案のタイミングはOSのサポート終了だけではない

前回の「心得その1」では、約4,700名が来場した「DISわぁるど in 姫路」(2023年11月8日・9日開催)でのインテルの展示ブースで実施したアンケート調査から、Windows 10サポート終了に対する認識と、その対策であるWindows 11移行への取り組みの現状について解説した。今回はWindows 10のサポート終了(EOS)に伴うPCリプレースにおけるビジネスチャンスを考察する。

市場に800万台以上が存在する
インテル第8世代CPU搭載PC

Windows 10からWindows 11へ移行する手段として、最新のWindows 11搭載PCを導入することがユーザーである顧客にとって最善の選択と言える。というのも、市場ではインテルの第8世代と呼ばれるCoreプロセッサーを搭載したPCが多数稼働しているからだ。
このインテルの第8世代Coreプロセッサーを搭載するPCというのは、2019年と2020年に大量に市場に流通したものだ。その要因として挙げられるのがWindows 7のサポート終了に伴うPCのリプレースだ。OSのサポートが終了すると十分なセキュリティ対策が講じられなくなるという大きなリスクが生じるため、多くの企業がビジネスで使用しているWindows 7搭載PCを当時の最新のOSであるWindows 10搭載PCにリプレースした。これだけでも大きな需要が生じる。
さらに当時、コロナ禍が世界中を襲ったことは記憶に新しいだろう。感染対策としてリモートワークによる在宅勤務が推奨され、大木の企業がテレワーク向けに急きょ、ノートPCを新規に導入した。これもWindows 10搭載PCだ。
これらの背景からWindows 10搭載PCが大量に流通したというわけだ。ちなみにインテルがGfK Japanに依頼して実施した調査によると、第8世代Coreプロセッサーを搭載するPCは、2019年と2020年だけで800万台も販売されたという。
そのWindows 10搭載PCは、当時は最新テクノロジーを搭載した製品であったわけだが、導入してから4〜5年が経過している。毎日使っているとわかりづらい、いやわからないものであるが、現在の最新テクノロジーを採用したPCと比較すると、アプリケーションの動作や、アプリケーションでのデータの処理など、性能の差は非常に大きい。
最新のPCが導入されて仕事に使い始めると、次のリプレースまでの間に、その時々の最新のPCに触れる人はほとんどいないだろう。そのため自分が使っているPCの性能が、時間の経過とともに最新のPCに置いて行かれ、知らぬ間に大きな差をつけられていることに気付かないのである。

古い世代のCPUを搭載するPCは
今すぐにリプレースすべき

インテルの第8世代Coreプロセッサー搭載PCに限らず、最新のCPUを搭載するPCとの性能の差は、仕事の生産性の観点から許容できるものではないと断言できる。これまでPCのリプレースのタイミングはもろもろの事情から5年が目安だ。
「DISわぁるど in 姫路」でのインテルの展示ブースで実施したアンケート調査によると、「PCを提案するにあたり、どのようなお客様が多いか教えてください」という問いに対して、「直近の購入から5年以上」と解体した割合が実に66.1%に達した。
その一方で7年以上、10年以上はさすがに少なく、現在のビジネス用PCは5年が賞味期限と言えるだろう。しかし前述の通り4〜5年前に導入した第8世代Coreプロセッサーを搭載するPCの性能は最新のPCと比較して非常に低く、そのユーザーの生産性は相対的に大きく低下しているのが実情だ。
2025年10月にWindows 10のサポートが終了してWindows 11搭載PCにリプレースするなどの対策が必須となるわけだが、多くの人は2025年10月まで「まだ1年半も猶予がある」と認識しているようだ。
しかし前述の通り、Windows 10のサポート終了を迎える以前に、古い世代のCPUが搭載されたPCを使っていること自体がビジネスにおいて不利益を被っているわけであり、その台数が多いほど不利益も大きくなる。
先ほどの調査の結果でもう一つ注目すべきポイントは「直近の購入から3年以上」と回答した割合が37.1%いる点だ。この調査の質問には複数回答が可能であるため、導入から3年経過した顧客に提案を始め、導入から5年までに受注を確定するというケースも想定できる。
しかしPCがビジネスを遂行する上で必須となっている現在、生産性の維持・向上といった顧客メリットの観点から、今後はPCの導入・リプレース提案は直近の購入から3年が賞味期限と認識すべきだ。Windows 10のサポート終了対策においても、2025年10月までに対応を完了するという姿勢ではなく、古い世代のCPUを搭載するPCのリプレースを、今すぐに実施する提案をすべきである。