第23回 MRシリーズのクライアントの負荷分散機能

掲載日 2017/10/24

こんにちは。
Meraki担当のDSASです。

Merakiクラウドによる電波チャネルと電波出力の自動調整はご存知の方も多いかと思いますが、クライアントの負荷分散機能にも対応していますので、今日は「MRシリーズのクライアントの負荷分散機能」をご紹介したいと思います。

Merakiではクライアントの負荷分散機能を「Client Balancing」と呼んでいます。
Client Balancing機能を利用することで、クライアントのアソシエーション中(無線接続中)にクライアントを最適なアクセスポイントに誘導することが可能になります。
つまり一部のAPにだけクライアントが集中してしまうような事態を防ぐことで、クライアントのダウンロードやアップロードのパフォーマンスを向上することができる機能です。
なお、全てのクライアントに対して有効な機能で、デフォルトで有効化されています。

簡単に仕組みを紹介します。
まずクライアントが最適なAPが接続できるように、APはRF環境やクライアントに関するデータ(メトリック)を、リアルタイムにAP間で共有します。
具体的にはUDPの61111ポートでブロードキャストされていますので同じLANセグメント内のAP間で共有されます。

メトリックについてはクライアントのRSSIや既にアソシエートしているクライアント数がありますが、長くなりますので興味のある方は以下のマニュアルをご確認ください。

図1.AP間のクライアントのRSSI共有イメージ
(ClientAA:AAのRSSIがAP1とAP2で共有されています)

図2.AP間のクライアント数の共有イメージ
(AP1は30台、AP2は10台のクライアントと接続している情報が共有されています)

最後に負荷分散の方法ですが、
802.11vという新規格に対応した新しいクライアントの場合は、APから近隣のAPのリストが渡されるのでクライアントはリストの中からより好ましいAPを選択して接続することができます。

図3.802.11v対応端末への近隣APリストの提供による負荷分散イメージ
(Client AはAP2からAP1を紹介されています)

802.11vの規格に対応していない古いクライアントの場合は、負荷の高いAPに接続しようとするとAPは接続を拒否すること他のAPへの接続を促します。

図4.802.11v非対応端末への接続拒否による負荷分散イメージ
(Client Aは、AP2から接続を拒否されています)

とても良い機能だと思います!

以上です。



掲載日:2017/10/24 更新日:2019/09/03 16:15  管理ID:172061