第28回 MRアクセスポイントのブリッジ接続について

掲載日 2017/11/29

こんにちは。
Meraki担当のDSASです。

前回のMRアクセスポイントの自動メッシュに続いて、今回はブリッジ接続について紹介させて頂きます。

まずメッシュとブリッジの違いですが、メッシュは有線を利用せず電波のみで無線ネットワークの範囲を拡張する技術ですが、ブリッジでは有線ネットワーク間を電波で接続することで有線ネットワークの範囲を拡張する技術です。例えば、建物間をケーブルで接続できない場合に利用されます。(こちらもメッシュ同様にお客様の無線環境によっては動作しない場合もございますので、導入の前に必ず検証が必要です)

MerakiのMRシリーズのAPはメッシュリピータとして動作させることで、ゲートウェイAPから無線ネットワーク範囲を拡張できます。また、リピーターは有線ポートに接続された有線クライアントもサポートするため、リピーターを使用することでリモートLANセグメントとメインLAN間を接続することが可能です。
※リピーターやゲートウェイについての詳細は、お手数ですが前回の記事にてご確認ください。

リピーターのAPが有線ポートを介して無線でブリッジを行う為には、次の要件を満たす必要があります。
・ワイヤレスのアクセス制御の設定で、少なくとも1つのSSIDをブリッジモードに設定する必要があります。
※このブリッジモードは、ブリッジ接続のブリッジとは異なりますのでご注意ください。単純にAP内で無線と有線を転送(ブリッジ)するモードです。

図1.ブリッジモードの設定画面(アクセス制御の設定より)

・デフォルトでは、リピーターAPの有線ポートに接続されたクライアントやLANスイッチなどのデバイスは、ネットワーク接続を確立できません。ブリッジモードのSSIDを設定した後に、ネットワーク全体の一般の設定画面でリピーターAPの有線に接続した場合のクライアントが所属するネットワークとしてブリッジモードのSSIDを指定します。この設定により有線ポートのデータは、指定したブリッジモードのSSIDと接続しているクライアントのように動作します。
※SSID毎の設定ではないのでご注意ください。

図2.有線ポートへのブリッジモードSSIDの設定画面

ブリッジ構成についていくつか注意点があります。
まずはサポートされる構成です。
図3ではリモートサイトのbuilding BのリピーターAPはレイヤ2のスイッチと接続し、2台のPC にbuilding Aと同じサブネットを提供しています。この様な単一サブネットの拡張はサポートされます。ちなみにVLANタグは無線メッシュリンク上ではサポートされませんのでご注意ください。

図3.レイヤ2スイッチによる単一サブネットの拡張イメージ

次はサポートされない構成です。
図4では、リモートサイトのBuilding Bに追加のリピーターAPを設置していますが、追加のリピーターAPは、ブリッジ接続しているリピーターAPと同じブロードキャストドメイン内に存在することはできません。また、スイッチ上の有線クライアントと同じブロードキャストドメインに存在することもできません。

図4.サポートされない単一サブネットへのリピーターAPの追加構成

リモートサイトにAPを追加するには、ルータまたはレイヤ3スイッチを使用して、ブリッジ接続しているリピーターAP、追加のリピーターAP、および有線クライアントは、それぞれ異なるサブネットに配置する必要があります。

図5.サポートされるサブネット毎へのリピータAPの追加構成

また、図5のトポロジが完全に機能するには、次の追加要件が満たされている必要があります。
Building Bのルータは、ブリッジ接続用のリピーターAP(サブネットA)へのアップリンクでDHCPサーバとして機能していてはいけません。
Building Aのルータは、Building BのルータにサブネットBとC向けの静的ルートが必要です。

若干の制限事項はありますが、いかんせん設定がとても簡単なので、是非とも検証頂ければと思います!

以上です。


掲載日:2017/11/29 更新日:2019/09/03 16:18  管理ID:173675