第30回 ホテル向けアクセスポイント(MR30H)

掲載日 2017/12/11

こんにちは。
Meraki担当のDSASです。

最近はホテルの建設ラッシュらしく、我々にもホテル内の無線化案件の話をちらほらと頂きますので、
今日はMerakiのホテル向けアクセスポイントの「MR30H」をご紹介したいと思います。

「MR30H」は、型番の最後に「H」が付くMerakiでは初めてのモデルです。
この「H」とは、「Hospitality(おもてなし)」の略です。
「おもてなし」と言えば「ホテル」です。
(私が個人的に気にしているだけかもしれませんが、最近ではホテルの口コミサイトでゲストアクセス用の無線電波が弱い、
遅い、不安定といった書き込みが多くなってきたようにも思います。)

ではまず、MR30Hのアンテナのスペックですが、
アンテナは2.4GHzと5GHzの2×2の802.11ac wave2 MU-MIMO対応、
スループットは1,3Gbpsという一般的で標準的なスペックです。

MR33と異なる点は、ダウンリンクの有線ポートと設置方法です。
まず有線ポートについてですが、
MR30HはGigabitのダウンリンクポートを4つ搭載しています。

図1.MR30Hアクセスポイント ハードウェアインストレーションガイド

そのうちの1つはPoE対応(供給側)のポートです。
このPoEポートはMR30Hが802.11at(30W)で給電されている場合のみ、
802.11afで他のデバイスに電力を供給することが可能です。
例えばIP電話(Merakiの電話は日本では販売されていませんが。。)を接続するのに最適かと思います。
また、MR30HとPoE対応スイッチを802.3afで接続していますと
MR30HのPoEで給電することができませんがMR30H自体は正常に動作します。

その他のダウンリンクポートは、お客様への有線LANでのゲストアクセスや、テレビのVoDコンテンツ配信、
有線LAN対応の客室のミニバー(冷蔵庫)などに利用可能です。

またダウンリンクポートは、ポート毎にSSIDを紐づけることで、SSIDのVLAN設定や、Splashページ設定、
ファイアウォールなどのセキュリティを有線ポートに拡張するというユニークな「ポートプロファイル」という設定を利用します。

図2.ポートプロファイルによる有線ポートへのSSIDの割り当て

MR30HがSSIDから有線ポートにポートプロファイルで引き継ぐ設定は、図3を参考にしてください。「Honored」の内容は引き継がれます。

図3.ポートに引き継がれるSSIDの設定項目リスト マニュアルPort Profiles

例えば、WPA2-PSKは引き継がれませんが、WPA2-Entの認証は、有線の802.1x認証に置き換わることがわかります。

次に設置方法ですが、MR30Hのアップリンクは背面に搭載されています。
添付の図面の通り、壁への穴あけが必須なので特に注意が必要です!

https://documentation.meraki.com/MR/Installation_Guides/MR30H_Installation_Guide


図4.MR30H取り付けイメージ ハードウェアインストレーションガイド

MR30Hにより安定した無線環境だけでなく、ホテルの有線LAN含めたエッジネットワーク全体を最適化することが可能です!

以上です。ご清聴ありがとうございました。


掲載日:2017/12/11 更新日:2019/09/03 17:12  管理ID:174309