株式会社ロジクール

設計から製造まで自社で完結する独自体制で
快適な操作性と高品質を両立
ロジクールのマウス「Signature」シリーズ

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長時間のPC作業が日常化する中、快適で操作性に優れたマウスを求める声が高まっています。標準的なモデルでは満足できないという声も多く、オフィスでも個人の生産性を支える重要なツールとして、マウスの見直しが進んでいます。こうした背景の中、ロジクールが展開する「Signature」シリーズが注目を集めています。その魅力と選ばれる理由について、ロジクール クラスター カテゴリマネジャー 塩谷一生氏に話を伺いました。

自社完結型の開発体制が生む品質と信頼

塩谷氏は、ロジクールが他社と一線を画す理由について次のように語ります。

「当社は、製造に関わるプロセスの全て、すなわち商品企画、デザイン、試作工程、品証テスト、最終製品化までの全てのプロセスを自社内で行っています。他社ではOEM生産や外部デザイン会社、提携工場の活用が一般的ですが、当社はベトナムや中国に自社工場を保有し、製品デザインも製品により、また製品のどの部分のデザインかにより、プロダクトデザインチームがさまざまな国に配置され、担当しています。木材を削ってプロトタイプを作成する初期段階から量産までを一貫して自社で行うことで、品質のばらつきを抑え、安定した高品質を実現しています。この品質管理体制により、他社が6~18カ月程度の保証期間を設定する中、当社製品の多くは2年以上の長期保証を提供しています」

 さらに、製品カテゴリーの定義においても独自の視点を持っていると塩谷氏は続けます。「『マウスカテゴリー』や『キーボードカテゴリー』といった、製品カテゴリー名称で製品を区分けするのが一般的かと思われます。ですが、当社では全ての製品において『お客さまにどのような価値を提供する製品か』という目線で製品カテゴリーが再定義され、製品カテゴリーの分け方、またカテゴリー名称が数年に一度見直されています。例えば、過去にはマウスやキーボードなどを含む一部の製品カテゴリーは『Creativity & Productivity』とカテゴリー名称がつけられていた事があります。この背景には『ただのオフィス用デバイス』として位置付けるのをやめ、『想像力と生産性のために欠かせないアイテム』として再定義し、社内からこの意識を変えていく意図がありました」

 またロジクールは、製品開発において現場を重視しているそうです。「当社は外資系企業にありがちな本社主導型の製品展開とは異なり、現場の声を積極的に製品開発に反映する文化を持っています。特に日本市場はガジェット先進国とされており、ここで顕在化したニーズがグローバルトレンドへと発展するケースも少なくありません。その代表例が静音マウスです。日本市場のニーズを受けて本社が詳細な市場調査を実施し、最終的にはグローバル製品として展開されました。これは単なるデバイス販売にとどまらず、ユーザーの潜在的なニーズに応える製品づくりを重視する、ロジクールの姿勢を象徴する事例と言えるでしょう」(塩谷氏)

幅広いユーザーに応えるSignatureシリーズ

ロジクールはこれまで、ハイエンドモデル「MX Master」シリーズに代表される高機能・高価格帯のマウスや、クリエイター・ヘビーユーザー向けのエルゴノミクスマウス、トラックボールマウスなど、専門性の高い製品群で強いブランドイメージを築いてきました。そのため「高価でこだわりの強いユーザー向け」「マウス好きの最終到達点」といった印象を持たれることも少なくありません。

 しかし実際には、エントリーモデルからミドルレンジまで、幅広い価格帯とユーザー層に対応した製品ラインアップを展開しています。

 近年、ロジクールは一般的なオフィスワーカーや日常的にPCを使用する中間層ユーザーのニーズに応えるべく「Signature」シリーズを展開しています。Signatureシリーズはハイエンドモデルの優れた操作性や快適性を継承しつつ、複雑な機能を排除し、シンプルで扱いやすい設計を重視しています。ワイヤレスマウス「Signature M550」「Signature M650」「Signature M750」をラインアップしており、中でもSignature M650は最も高い人気を誇る主力モデルとなっています。

 Signature M650は、ユーザーの手の大きさに応じて、Mサイズ(幅61×奥行き38.8×高さ108.2mm)とLサイズ(幅66.2×奥行き42×高さ118.7mm)の2種類が用意されています。Mサイズはややコンパクトで男女問わず扱いやすい形状です。接続方式はBluetoothに加え、ロジクール独自の「Logi Bolt USBレシーバー」にも対応しています。Logi Boltは一つのレシーバーで最大6台のデバイスを接続できるため、複数デバイスを扱う業務環境にも適しています。

 機能面では、左右クリック、戻る/進む、ミドルクリック付きスクロールホイールの5ボタン構成に加え、ロジクール独自のスクロールホイール機能「SmartWheel」による高速スクロール機能を搭載しています。1行ごとのスクロールを精緻に行う通常スクロールモードから、ホイールを勢いよく回す事で高速スクロールモードにも自動切り替えができるため、長い文書やスプレッドシート上での操作に便利です。さらに、サイドボタンを押しながらホイールを回すことで横スクロールにも対応し、横長のスプレッドシートなどの作業効率を大幅に向上できます。加えて、独自の「SilentTouchテクノロジー」により、クリック音を従来比で90%以上軽減しています。オフィスや在宅勤務など静かな作業環境に最適です。

 Signature M750は「Signature M650ではボタンが少ない」と感じるユーザーの声に応えて機能性を強化したモデルです。SmartWheelやSilentTouchテクノロジーといった基本機能はSignature M650と同様ですが、カーソルの速度を調整する「DPI切り替えスイッチ」が追加され、合計6ボタン構成となっています。

 さらに最大3台のデバイスに接続し、本体裏のボタンで簡単にデバイスを切り替えられる「Easy-Switch」機能を搭載しています。複数のPCを使い分けるユーザーにとって非常に便利です。また、複数のPC間でテキストや画像をシームレスに転送できる「Flow」機能にも対応しています。

 一方、Signature M550はシリーズの中で最もシンプルなモデルです。Signature M650に搭載されているサイドボタンが省かれ、左右クリックとミドルクリック付きスクロールホイールの3ボタン構成となっています。

「最低限の機能があれば十分」「クリックさえできれば良い」といったニーズに応えるモデルであり、SmartWheelやSilentTouchテクノロジーといった基本機能はそのままに、より手頃な価格で提供されています。

ソフトウェア連携と環境配慮が生む総合価値

 ロジクールでは、マウスやキーボードの操作性をさらに高めるユーティリティーアプリケーション「Logi Options+」を提供しています。塩谷氏は「このソフトウェアはユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させるものであり、ロジクールが他社と差別化を図る上での大きな強みとなっています。ハードウェア単体ではなく、ソフトウェアと連携することで、製品全体の価値を高められます」と、Logi Options+がロジクールの競争力を支える重要な要素であることを強調します。

 Logi Options+では、マウスやキーボードの各ボタンに対して、ユーザーの業務スタイルに応じた機能を自由に割り当てられます。例えば、よく使うアプリケーションのショートカットを設定したり、コピーや貼り付け、進む/戻るといった操作をワンクリックで実行できるようにしたりすることで、日々の業務効率を大きく向上させることが可能です。さらに「カスタムジェスチャー」機能を活用すれば、中央ボタンを押しながらマウスを特定の方向に動かすことで、貼り付けや元に戻す、やり直しといった操作を直感的に実行できます。

 加えて、Logi Options+にはマクロ登録機能「Smart Actions」も搭載されています。これは複数の操作を一つのボタンやキーにまとめて登録し、ワンクリックで一連のタスクを自動実行できる機能です。繰り返し作業の自動化により、特にプログラミングや資料作成など、定型的な業務において高い効果を発揮します。

 このようにLogi Options+は、シンプルに使いたいライトユーザーから、細部までカスタマイズしたい上級ユーザーまで、幅広いニーズに対応できる柔軟性を備えています。

 またロジクールは、製品開発のあらゆる段階でサステナビリティを重視しており、環境への配慮を企業活動の中心に据えています。PC周辺機器メーカーとしては比較的早い段階からこの分野に取り組んでおり、業界の中でも先進的な存在として注目を集めています。

 具体的な取り組みとしては、製品への再生プラスチックの積極的な活用が挙げられます。例えばSignature M650では、グラファイトカラーに64~65%、ローズやオフホワイトでは26%の再生プラスチックが使用されています。さらに、製品パッケージの素材もプラスチックから紙への全面的な移行が進められており、現在ではほぼ全ての製品が紙製パッケージで提供されています。加えて、製品ごとのカーボンフットプリントを明示することで、環境負荷の可視化と排出量の削減にも取り組んでいます。

 ロジクールは今後もこの分野への注力を継続する方針であり、すでに約4分の3の製品に再生プラスチックを使用しています。将来的には、ほぼ全ての製品での採用を目指しており、サステナビリティを企業価値の中心に据えた取り組みをさらに加速させていく考えです。

 操作性・快適性・環境配慮を兼ね備えたSignatureシリーズは、あらゆるビジネスパーソンの生産性を支える最適な選択肢となるでしょう。

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