HYCUで楽々データ保護
第30回 バージョン5.2.0のリリース

こんにちは、HYCUの吉田です。

HYCUのオンプレミス製品「HYCU R-Cloud Hybrid Cloud Edition」の新しいバージョン5.2.0がリリースされましたので、主な新機能についてご紹介したいと思います。
前回のブログが5.0.0の紹介のため、今回は5.1で追加された機能も含みます。

ライセンス体系の変更

課金体系:

これまではCPUソケットライセンスとOSインスタンスライセンスの2種類でしたが、CPUコアライセンスが追加されました。環境に合わせて一番お求め易いライセンスを選択できます。

エディション:

これまでのバックアップ(クラウドへのバックアップ保存を含む)機能を持つものがスタンダードエディションになります。
スタンダードエディションの機能に加え、以前にProtégéと呼ばれていた製品に搭載されていた機能であるパブリッククラウドへの移行、ランサムウェアスキャン、NDB(Nutanix Database)バックアップ、Nutanix Files/Objectsのバックアップがプレミアムエディションになりました。

Hyper-Vサポート

以前からAzure Localをサポートしていましたが、今回からHyper-Vを正式にサポートしました。NutanixやVMwareバックアップと比べ、バックアップ後にスナップショットを残す(保持する)構成はできませんが、ほぼ同様のことができます。
前提条件はHyper-Vフェイルオーバークラスタ構成になります。
また、Hyper-Vマネージャーから、仮想ハードディスクの既定の保存先をローカルから共有ディスクへ変更する必要がございます。

VMware環境のHotAdd転送モードのサポート

これまでVMware環境のバックアップはNBD転送モードだけでしたが、今回からHotAdd転送モードをサポートしました。ファイルサーバーバックアップに使用するインスタンスVMがHotAdd転送モードをサポートするため、インスタンスをVMware環境に(複数台)展開することでパフォーマンスを向上することができます。

VMware VMFS/NFSデータストアにおけるスナップショット保持

既定ではVMware環境におけるVMスタンのリスクを考慮し、バックアップ後にスナップショットを残すことはできない仕様になっていました。
ですが、多くのお客様からのご要望により、構成ファイルにパラメータを追加することで、バックアップ後にスナップショットを残すことができるようになります。
動作としてはNutanix環境、VMware vSAN/vVol環境と同じになり、1次バックアップとしてスナップショットを作成し、2次バックアップとしてスナップショットからクラウドに永久増分アーカイブできるようになります。

マルウェア/ランサムウェアスキャン

R-Shield Scanner仮想アプライアンスを展開することで、YARAルールを用いたマルウェア/ランサムウェア検出が可能になりました。スキャン対象はNutanixのスナップショットとなり、フルバックアップ後にはフルスキャンを実行し、増分バックアップ後には増分スキャンを実行します。本番に近いデータをスキャンすることで、お客様の運用環境をスキャンすることと同様の対応になります。

PostgreSQLのサポート

自動認識するアプリケーションとしてPostgreSQLをサポートしました。
これによりWindows上のActive Directory/MS SQL/MS Exchange、Linux上のOracle/PostgreSQL/SAP HANAの計6つのアプリケーションを認識したバックアップとデータベース単位の復元が可能になりました。

NetAppファイルサーバーバックアップのパフォーマンス向上

NetApp SnapDiff APIsをサポートすることで、増分ファイルを迅速に認識することができ、汎用ファイルサーバに比べ2-3倍のパフォーマンスが見込めます。

Dell Data Domain Managed File Replication

Data Domainをバックアップ1次保存先と2次保存先の構成とする場合、Data DomainによるファイルレプリケーションをHYCUが認識できます。その結果、例えばリモートサイトにもバックアップデータを保持したい場合、効率的なData Domain間のレプリケーションを利用できます。HYCUはレプリケーションを認識しているため、2次保存先からの復元も容易に実行できます。

HYCU仮想アプライアンスのスペック変更

これまではOSディスクが10GB、データディスクが32GBでしたが、今回からOSディスクが20GB、データディスクが128GBへ変更されました。
これは、HYCUバックアップコントローラーに紐付くインスタンスマシンのアップグレード(バージョンアップ)を容易にするため、バックアップコントローラー内部にアップグレードイメージを保持できるようにするための処置になります。

永久増分アーカイブのパフォーマンス改善

これまでの永久増分方式では、保護対象の仮想ディスクとターゲットに保存済みのデータを比較するために仮想ディスクをフルスキャンしていました。
ディスクが大容量の場合はIO負荷の増大やアーカイブ長時間掛かる課題がありました。今回からはスナップショット間の変更を比較することでフルスキャンの実行を回避し、結果として負荷の低減とパフォーマンスの向上を実現します。

  • 少なくても2つのスナップショットを保持するようにポリシーを設定する必要があります。

いかがでしょうか。HYCUは30日間使用できる評価版を提供しておりますので、是非お試し頂けると幸いです。

どうもありがとうございました。