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Collaboration 第46回 「Cisco Webex Teams ユーザのControl Hub登録とデータ移行時の注意事項 その1」

こんにちは。ディーアイエスサービス&サポート株式会社でCisco Collaborationの担当エンジニアをしております斎藤です。

パートナー販売の有償版Webex Meetingsの普及に伴って、最近私のところに「Webex TeamsのアカウントをControl Hubに登録する際にエラーが出た」「Webex Teamsのデータが消えた」というような問い合わせをいただくことが増えました。なぜそんなことが起こるのでしょうか?原因はControl Hubにユーザを登録する際の設定にあります。そこで今回は、Webex Teams のユーザをControl Hub に登録する手順と登録時の注意事項についてご説明したいと思います。最後まで是非ご覧ください。

Webex Teamsのデータが消える!?

突然ですが、皆さんWebex Teamsを使用していて、次のような画面が表示されたことはありませんか?
こちらの画面が表示された場合、いずれかを選択しないとWebex Teamsが使えません。ただし、こちらの場合ですと「元のアカウントから新しいアカウントにWebex Teamsの会話を転送する」を選択すれば、これまで通りWebex Teamsを使うことができます。

では、次の画面が表示されたらどうでしょうか?

この画面が表示された場合、どちらを選んだとしても、それまで使っていたメールアドレスでのWebex Teamsのデータは消えてしまうんです!!!また「元のアカウントを削除する」を選択した場合、これまでのデータは完全に削除されてしまいます!私はこれを勝手に「地獄の2択」と呼んでいます。

「地獄の2択」が表示される原因

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?そのためにはまず、Control Hubにユーザを登録するとはどういったことかを理解しておく必要があります。

パートナー販売のWebex Meetingsのライセンスは直接ユーザに紐づくわけではなく、一度Control Hubに紐づきます。その後、Control Hub上でライセンスを割り当てるユーザを指定することで、初めてWebex Meetingsを利用できるようになるのです。ここでControl Hub上で指定するアカウントが「Webex Teamsのアカウント」になります。つまり、ユーザにライセンスを割り当てる為には、事前に対象ユーザのWebex TeamsアカウントをControl Hubに登録しておく必要があるのです。

先ほどの「あなたの会社がメールアドレスをクレームしました」という画面は、既存でWebex Teamsを利用している無償ユーザをControl Hubに登録した場合に表示される画面になります。Control Hubに登録することで、Webex Teamsのデータは会社・組織の管理下となります。その際、一度アカウントが再アクティベートされますので、「新しく組織に紐づくけど、これまでのデータの扱いはどうする?」といった具合で、「地獄の2択」等の画面が表示されるのです。

つまり、既存でWebex Teamsを利用している無償ユーザをControl Hubに登録した際は、必ず「あなたの会社がメールアドレスをクレームしました」という画面が表示されますので、問題はその画面が「地獄の2択」かどうか、になります。こちらに関しては、Control Hubの設定で回避できる可能性があります。また、「地獄の2択」が表示されてしまった場合でも、Webex Teamsのデータを消さずに済む方法もありますので、次にそのあたりの回避方法をご紹介します。


「地獄の2択」の回避方法は?

まず、Control HubにWebex Teams ユーザを登録・追加する手順については、以前のブログ第20話で紹介しておりますので、そちらをご参照ください。またメーカーからもいくつか資料が公開されておりますので、そちらも合わせてご確認いただければと思います。
・Collaboration 第20回 「Cisco Webex Control Hub とは? ~ユーザの管理編~」
https://www.idaten.ne.jp/portal/page/out/secolumn/cisco/collaboration/020.html
・Webex Control Hub ユーザ追加手順
https://www.cisco.com/c/dam/m/ja_jp/partners/documents/fy20/collaboration/20200428-wxchuseradd.pdf
・手動でユーザーを Cisco Webex Control Hub に追加する
https://help.webex.com/ja-jp/v71ztb/Add-Users-Manually-in-Cisco-Webex-Control-Hub

ここで、上記手順を行う前に確認しておきたいポイントが、Control Hubの「コンテンツの移行」設定です。ほとんどの場合、こちらの設定がデフォルトで無効になっている為に「地獄の2択」が表示されてしまいます。こちらの設定は、Control Hubの「設定」ページの最下部でご確認いただけます。

Webex Teamsのユーザを追加・登録する際は、まずはControl Hubの設定がどうなっているのか事前に確認しておくようにしましょう。

上記の設定をしておくことで基本的に「地獄の2択」が表示されることはありません。しかしながら、上記設定の確認を忘れてしまった、もしくは、確認したにも関わらず「地獄の2択」が表示されてしまう、という可能性があります。

その場合の対処方法ですが、「メールアドレスを変更して、元のアカウントを維持してください。」を選択し、別のメールアドレス(yahooやgoogle等のフリーメールアドレス可)を指定することで一時的にWebex Teamsのデータを残すことが可能です。
こうすることで、別のメールアドレスで新規のWebex Teamsアカウントが作成され、そちらにWebex Teamsのデータが引き継がれます。
その後、メールアドレスの変更手続きをすることで、これまで通りのメールアドレスでWebex Teamsを利用することが可能です。ただし、「aaa@aaa.co.jp」が残っている状態では変更メールアドレスに指定できませんので、まずは「aaa@aaa.co.jp」のアカウントを削除した後に、「bbb@bbb.co.jp」のアカウントでメールアドレスの変更手続きを行ってください。
・無料のWebexアカウントを削除する
https://help.webex.com/ja-jp/5m4i4y/Delete-Your-Free-Webex-Account
・アカウントのメールアドレスを変更する
https://help.webex.com/ja-jp/nme40aeb/Change-the-Email-Address-for-Your-Account

これでひとまずは元通りの状態です。その後は、今一度、Control Hubの「コンテンツの移行」の設定をご確認いただき、ユーザ追加・登録の手順を実施していただければと思います。

しかしながら、、、レアケースではありますが、実は「コンテンツの移行」の設定を有効にしていてもWebex Teamsのデータを引き継ぐことができない(「地獄の2択」を回避できない)場合があります。こちらについて、登録時エラーの紹介も含め、次回にご説明させていただきます。

今回は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました!
引き続きよろしくお願い致します。


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