VMware 担当者コラム
VMware
vSphere 6.7 Update1最新情報のご紹介
皆さま、こんにちは。
VMware担当の田畑です。
参加された方も大勢いらっしゃるかと思いますが、11月13日14日にVMware主催のvFORUM 2018 TOKYOがありました。
私も両日参加し、注目のVMware Cloud on AWSや、vSphere、vSAN等のセッションを受講しました。
12月14日にはvFORUM 2018 OSAKAが開催されますので、興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
さて、今回のコラムでは2018年4月17日にリリースされましたvSphere6.7、また、2018年10月16日にリリースされましたvSphere6.7Update1(以下vSphere6.7U1)の最新情報についてご紹介していきたいと思います。
■vSphere6.7、6.7U1の新機能一覧
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vSphere Client(HTML5)のフルサポート
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Single Reboot
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クイックブート
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VMware vCenter Server Appliance
Linked Mode
Back Up Scheduler -
VMware vCenter Server Converge Tool
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Trusted Platform Module2.0と仮想TPMのサポート
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暗号化された Cross-vCenter vMotion
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Microsoftの仮想化ベースのセキュリティ(VBS)のサポート
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VMware AppDefense
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NVIDIA GRID vGPUのサポート強化
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Persistent Memory
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仮想マシン単位のEnhanced vMotion Compatibility
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vCenter間でバージョンが混在する場合のプロビジョニング
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Remote Directory Memory Accessのサポート強化
上記新機能の詳細はこちらになります。(英語)
vSphere6.7でのアップデートで様々な新機能が追加されました。
今回はこの中からいくつかの機能をご紹介していきたいと思います。
■vSphere Client(HTML5)フル機能サポート
vSphere6.7U1より、vSphereWeb Client(Flash)で使用できていた全機能がvSphere Client(HTML5)でもフルサポートされました。
これに伴い、vSphere Web Client(Flash)はvSphereの「6.7」が最終リリースになり、次バージョンからはvSphere Client(HTML5)へ完全に移行する必要があります。
Flash Playerには脆弱性があることはご認識されているかと思いますが、vSphere管理ツールについても、vSphere6.5の時からHTML5版へ徐々に移行され、この度6.7U1のリリースよりフルサポートとなりましたので、ぜひ1度使用してみてください。
■vCenter Server Applianceのバックアップ、リストア
vSphere6.5以降から、vCenter Server Applianceのファイルベースでのバックアップとリストアを、管理ポータルより実行できます。そして、vSphere6.7からスケジュールバックアップができるようになりました。仮想環境内でvCenter Serverのバックアップは重要になるので、非常に助かる機能です。
バックアップデータの保存先はHTTP・HTTPS・SCP・FTP・FTPSのプロトコルがサポートされています。
リストアする際には、vCenter Server ApplianceのインストーラーUIを用いて実行することが可能です。
保存したバックアップデータを選択し、ウィザードに従って進めることで簡単にリストアができます。
■Update Manager(HTML5)
次はUpdate Managerについてです。vSphere6.7でUpdate ManagerがvSphere Client(HTML5)から一部の機能を使用できるようになりましたが、vSphere6.7U1でフルサポートになりました。
■クイックブート機能
ESXiを再起動する際に非常に便利な機能となるのがクイックブートになります。
物理サーバーを再起動させずにESXiのみを再起動させることが可能です。
これまでパッチ適用やアップグレード時はサーバーの再起動に時間がかかっていましたが、ESXiから再起動を行うことで、メンテナンス時間の大幅な短縮が可能になりました。
■仮想マシン単位のEnhanced vMotion Compatibility
異なるCPU世代のホスト間でvMotionを利用するには、ホスト間のCPU世代をEVCで合わせる必要がありました。しかし、vSphere6.7の機能強化によって、仮想マシン単位でEVCを有効にできるようになりました。これにより、異なるCPU世代の「クラスタ間」、「データセンター間」、「vCenter Server間」でのvMotionの要件が緩和されました。
仮想マシンでのEVCモードの変更時には、仮想マシンをパワーオフの状態にする必要がございます。
また、仮想マシンのEVCには下記要件がございますのでご注意ください。
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ESXiは6.7以降
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vCenter Serverは6.7以降
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仮想マシンの仮想ハードウェアバージョンは14以降
■NVIDIA GRID vGPU のサポート強化
vSphere6.7でvGPUのサスペンド機能及びレジューム機能、スナップショットをサポートしていましたが、新たにvSphere6.7U1でvMotionがサポートされました。今回のサポート強化によって、vGPU を使用する仮想マシンをvMotionできるようになることで、ホストのメンテナンス時などにも、サービスを停止することなく使用することができます。
■Persistent Memory(PMem)のサポート
vSphere6.7よりDRAMと同等のアクセス性能、フラッシュメモリと同等コストの不揮発性メモリデバイスとして、PMemがサポートされました。
PMemはDIMMスロットに装着可能で、装着するとPMemデータストアと呼ばれるデータストアを自動で構成します。仮想マシンのゲストOSがNVDIMMをサポートし、仮想ハードウェアバージョンが14以降であれば、Virtual NVDIMMとして使用することが可能です。
もしゲストOSがNVDIMMをサポートしていない場合でも、超高速なVirtual PMemDiskとして使用することができます。Virtual PMemDiskとして使用した場合、vMotionやDRS機能にも対応しています。
※Virtual NVDIMMとVirtualPMemDiskは共有データストアを提供する機能ではないため、HA機能はサポートされません。
■Remote Directory Memory Access(RDMA)のサポート強化
vSphere6.5以降より、RDMAがサポートされています。これにより、OSやCPUの介入を最小限にした上で、大量のネットワークトラフィックをサーバーの負荷をかけずに捌くことが可能です。ESXiではvMotionやiSCSI、vSANなどのサービスを高速化させることができますし、仮想マシンとして利用する場合は(vRDMA)仮想マシン間の通信の高速化が見込めます。
vSphere6.5までは「Infiniband」、「Internet Wide Area RDMA Protocol(iWARP)」、「RDMA over Converged Ethernet(RoCE)」がサポートされていましたが、vSphere6.7より、新しく「FCoE Adapter」と「iSCSI Extension for RDMA(iSER)」の2つがサポートされました。
※RDMAを使用するためには、RDMA対応のHost Channel Adapter (HCA)が必要になります。
今回は最新情報の内の重要な機能についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
vSphere「6.7」にて、vSphere WebClient(Flash)とvCenter Server for Windowsのリリースが終了になります。
今回ご紹介した新機能をvSphere Client(HTML5)とvCenter Server Applianceにてぜひ使用していただければと思います。
本コラムが皆さまのお役に立てることができれば幸いです。
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