vSAN6.7U3に関するTipsとパフォーマンス改善ポイントについて

こんにちは、VMware担当の及川です。

今回は11月に行われた、vForumで聴講したセッションの中で、vSANに関するTipsが紹介されておりましたので、皆様に共有させて頂きます。
今回ご紹介する内容は、vSANクラスタの再起動及びシャットダウンに関する事項とvSAN6.7Update3(以下vSAN6.7U3)のパフォーマンスの改善点なります。

■vSANクラスタで全てのホストを同時に再起動する際に単一障害により、利用不可のデータが発生する

<概要>
クラスタのメンテナンスを実行する際に再起動後、「アクション不要のメンテナンスモード」機能を使用すると、クラスタ起動中に障害が発生した場合、メンテナンス後にデータが使用できなくなることがあります。複数の ESXi ホストで再起動またはメンテナンスを 1台ずつ実行するのは安全ですが、複数のホストを同時に再起動すると、この問題が発生することがあります。

vSAN 6.7U3未満と以降で対処の方法がそれぞれ異なるため、該当のKBについてご案内します。

【vSAN6.7U3未満の環境】
日本語のKBが出ておりましたので、以下URLに沿ってご対応ください。
かなり手順が複雑です。。。
https://kb.vmware.com/s/article/60424?lang=ja&queryTerm=60424

【vSAN6.7U3以降の環境】
こちらは英語のKBが出ておりました。かなり簡素化されております。
https://kb.vmware.com/s/article/70650

以下、手順となります。

  1. クラスタ内のホストを再起動する前に、どれか一つのホストにログインしてください。(Witnessは除く)
  2. ホスト上で、Pythonプログラムを実行
    python /usr/lib/vmware/vsan/bin/reboot_helper.py prepare
  3. コマンド実行後'Cluster preparation is done'と出力されるのを待ちます。
    • エラーがこの段階で発生した場合、エラーメッセージに基づいて問題を解決し、再びステップ#3を試してみてください。
    • クラスタ内に正常でない/切断されたホストがある場合は、それらを回復/削除してRetryしてください。
  4. 「アクションなし」モードですべてのホストをメンテナンスモードにします。
  5. 再起動/シャットダウンを続行します。
  6. すべてのホストがリブート/シャットダウンから復帰したら、すべてのホストをメンテナンスモードから終了します。
    • もし、起動に失敗したホストがある場合、vSANクラスタから不良ホストを手動で回復または移動します。
  7. クラスタ内のホストの1つ(監視ホストを除く)にログインします。 ホストでコマンドを実行します。
    python /usr/lib/vmware/vsan/bin/reboot_helper.py recover
  8. コマンドが返されるまで待ち、'Cluster reboot/power-on is completed successfully!'が出力されれば完了です。

■パフォーマンスの改善(vSAN6.7U2との比較)

大きく以下、3点の改善項目がございます。

  1. 一貫した性能
    • 書き込み遅延のバラつきを少なくし、I/Oフロー制御の改善
  2. より高いスループット
    • キャッシュでステージング(最終確認を行う段階)中のプロアクティブなI/Oバッファリング
    • 重複除外のタスクの平行化
  3. より迅速な再同期
    • 異なる書き込みI/Oのステージ間のタスク平行化

実際の検証結果は、以下の通りです。

  • ストレージポリシーやランダム、シーケンシャルアクセスによって異なりますが、IOPSの向上(10%~25%程度)、Read/Writeの遅延(10%~20%程度)削減
  • CPUのオーバーヘッドの改善
    全ケースにおいて、vSAN 6.7 Update 3 の方がオーバーヘッドが少ない
  • 1TBの再同期について

いかがでしたでしょうか?
シャットダウンについては、2つの手順を見比べると、vSAN6.7U3ではかなり手順が簡素化されております。また、パフォーマンスも大幅に改善されていることが分かります。vSANのメリットを享受するためには継続的なUpdateが必要となりますので、可能であればvSAN6.7U3に是非Updateください。

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