サーバーの“旬”を見極める Xeonプロセッサーでも古いものならば最新機種へ

 企業や団体で、様々な重要データが蓄積されているのがサーバーである。インターネットに情報を提供するWebサーバーや、電子商取引を支えるECサーバー、社内のデータを蓄積するファイルサーバーなど多くの場面で活用されているだけでなく、今後はIoT(Internet of Things)デバイスから収集した多くのデータを高度な分析処理するためにも活躍が期待される。サーバーが情報システムに占める存在は、依然としてとても高いものがある。

 サーバーの中でも中核を占めるのがインテル・アーキテクチャー(IA)を採用したIAサーバーで、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)の統計では国内のサーバー出荷額の約7割を占める。IAサーバーの需要動向をみると、仮想化の取り組みの拡大によって高度な仮想化に必要な中上位サーバーの需要が高く、サーバー単価は2011年以降には継続して高まる傾向にある。

サーバー用CPUは着実に進化、古いサーバーを使い続けていないか

 一方で、サーバーはユーザー企業や団体の利用者にとって、少し目立たない存在であることも確かだ。仮想化への対応やビッグデータ分析といった新しい取り組みを進めている企業ならばサーバーの能力を精査することがあっても、多くの企業では気がつけば長年の利用で現代の高負荷のデータ利用環境にそぐわないサーバーを使い続けている可能性もある。

IAサーバーやサーバーを集約したデータセンターで中心的に用いられているCPUは、インテル® Xeon® プロセッサーである。インテル® Xeon® プロセッサーは2017年7月に最新モデルの「インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」が発表されたことは記憶に新しい。現行のXeonにはE3ファミリー、E5ファミリー、E7ファミリーといった製品ラインが用意されている。一方、2010年ごろまでのXeonプロセッサーは、モデルの命名法が異なっていて、「X5550」などといった4桁の数字を使ったモデルナンバーが使われている。もしも、導入しているサーバーが採用しているインテル® Xeon® プロセッサーが旧来のモデルナンバーだった場合、導入時からの年月がかなり経っている可能性が高い。
 最新のインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーでは、最大28コア56スレッドへの対応が可能になり、従来モデルのXeon プロセッサーの24コア48スレッドから一段と性能が高められている。IoT、ビッグデータ解析、さらには機械学習やディープラーニングの実用化によるAI(人工知能)の活用の必要性は、業界や業種を問わず高まっている。サーバーの“旬”を見極めて、旧世代のサーバーを利用しているようならば、新世代のサーバーにリプレースしていくことが重要だ。  

信頼性と性能を追求すると最新機種へのアップグレードも検討課題に

そもそも、サーバーにはどのような性能や機能が求められるのかを、おさらいしておこう。パソコンとサーバーを比較すると、「信頼性」への対応の違いが大きなポイントになる。

 オフィスで利用するようなパソコンだと、利用時間は1日に数時間、長くても10数時間といったところ。業務終了後は電源を切ることが一般的だ。パソコン上でマルチタスクを活用するといっても、利用者はおおむね1人であり、数十のタスクを同時に動かすことは多くの場合に求められない。また、不具合が発生したときは、再起動によって回復することが比較的容易だ。

 一方でサーバーは、より負荷の高い使われ方をする。オフィスの片隅に置かれたサーバーであっても、データセンターに格納されたサーバーであっても24/7の信頼性 (1日24時間、1年365日の連続稼動) が求められる。そのために電源は常時入った状態であり、勝手に再起動するようなことはできない。多くの利用者がネットワークを経由して同時に利用するため、パソコンとは比較にならない同時作業を、安定した動作で行うことが求められる。

 扱うデータの量も種類も増えて高い処理能力が求められるサーバーは、パソコンとは桁違いの信頼性も同時に必要になる。高速性だけでなく、高可用性や高セキュリティ性といった要件も満たさなければならない。インテル® Xeon® プロセッサーは、複数のプロセッサーを連携させるマルチプロセッサー環境に対応し、スピード、信頼性、スケーラブルな性能向上、信頼性、敏捷性を提供する。さらに、ハードウエアがアシストする暗号化処理や、起動時および実行時の高度な保護機能を採用し、アプリケーションの性能に大きな影響を与えずにシステムやアプリケーション、データを低コストで効果的に保護する機能も備える。インテル® Xeon® プロセッサーは、こうしたサーバー用途に適した性能を備え、さらに年々性能向上を続けている。

用途に応じたサーバーの種類

 インテル® Xeon® プロセッサーを採用したサーバーには、用途や企業規模に応じた複数のサーバーの種類が用意されている。1つが、通常のデスクトップパソコンと同様の大きさと形状を持つ「タワーサーバー」で、オフィスや企業内のサーバールームに設置する際に用いられる。サーバールームやデータセンターでは、パソコンの形状をせずに標準仕様のラックにはめ込んで利用する「ラックサーバー」が用いられる。多くの台数のサーバーをラックに整頓して積み重ねることができ、設置スペースを節約しながら必要に応じた処理能力を得ることができる。3つ目が、「ブレードサーバー」と呼ばれるサーバーで、主にデータセンターで用いられる。サーバー1台1台が専用のきょう体に格納する薄いボード型の「ブレード」として作られていて、これをきょう体に複数収納して利用する。スペース効率が高く、拡張性にも優れた形態である。

 サーバーと一口にいっても、こうした様々な種類があり、必要な処理能力に対してスペースや電力消費の効率を高めて設置することが求められている。サーバーというハードウエアそのものを旧世代から新世代へリプレースする必要が高まっているのはもちろん、これから求められるデータ処理に適したサーバーの種類や設置形態を検討することも併せて重要になる。業種をまたいだ新規参入や、グローバル対応など、ビジネスのスピードはかつてなく高速化している。企業の情報システムもそうしたスピードに対応できるよう、サーバーのアップグレードから検討していくことをお勧めする。

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