新製品群はデータセンター向けに卓越した性能を発揮 パートナーとのエコシステムも形成してビジネスを創造する

エンタープライズ向けの製品を扱う事業部門名を「エンタープライズビジネスグループ」から「データセンターグループ」へと4月に変更したレノボは、同時に新製品も発表している。レノボ・ジャパン 事業部長 データセンターグループ事業本部の上原 宏氏は、「“データセンターの可能性を解き放つ”がキーワードです」と新製品群の魅力を話す。

レノボ・ジャパン株式会社 データセンターグループ事業本部 事業部長 上原 宏 氏/DCG製品本部 本部長 武田 香代子 氏

レノボ・ジャパン株式会社 データセンターグループ事業本部 事業部長 上原 宏 氏
とデータセンターグループ事業本部 DCG製品本部 本部長 武田 香代子 氏

世界記録を達成した新製品群

 発表された新製品は、サーバー、リファレンスアーキテクチャー、管理ソリューションに及ぶ。サーバーは、ラック型モデル、高密度型モデル、ブレード型モデルの3製品をラインアップ。1ソケットラック型モデルの「System x3250 M6」はインテル Xeon プロセッサーE3-1200 v5製品ファミリーの採用で、処理性能が前世代と比較して28%向上している。メモリー容量は最大64GBで前世代から倍増し、メモリー速度も33%向上した。エントリークラスのラックサーバーでホットスワップの冗長電源に対応している点も特長だ。「2ソケットサーバーにも匹敵する製品を低価格で導入できます」とレノボ・ジャパン データセンターグループ事業本部 DCG製品本部 本部長 兼 製品企画部 部長 武田香代子氏はアピールする。Webサービスやリモートオフィス、エンタープライズアプリケーションを稼働させる基盤に適している。

System x3250 M6

System x3250 M6

 あらゆるワークロードに対応する性能を備えた2ソケットラック型モデルのサーバーとしてラインアップされたのが「System x3550 M5」と「System x3650 M5」だ。System x3550 M5は1Uサイズ、System x3650 M5は2Uサイズとなる。両製品ともインテル Xeon プロセッサーE5-2600 v4製品ファミリーを採用。前世代のプロセッサーと比較して処理速度が44%高速化、サーバーの集約率は2世代前の製品と比較して6倍になっている。
 1UのSystem x3550 M5は最大46TB、2UのSystem x3650 M5は最大120TBのストレージを搭載できる。いずれもNVMe/PCIeフラッシュストレージに対応。電源を二つ備えていて、稼働状況に応じて電力供給をコントロールすることで可能な限り消費電力を抑えられる設計を採用した。「処理性能と信頼性の高さによって、法人利用でもっとも多く導入されているシリーズです。クラウドサービス基盤、データセンターインフラを新たに構築するお客さまにお薦めです」
(武田氏)

左から System x3550 M5、System x3650 M5

左から System x3550 M5、System x3650 M5

 ブレード型サーバーでは「Flex System x240 M5」が新たにラインアップされた。インテル Xeonプロセッサー E5-2600 v4 ファミリーと2400MHz DDR4 メモリーを搭載でき、プライベートクラウド環境などにおいて、従来以上に多くの仮想化ワークロードに対応可能だ。

Flex System x240 M5

Flex System x240 M5

 高密度型サーバーで新たに発表されたのは「NeXtScale nx360 M5」。こちらもインテル Xeon プロセッサーE5-2600 v4 ファミリーと2400MHz DDR4 メモリーを搭載でき、HPC環境やVDI、システム統合など幅広いワークロードに対応できる。

NeXtScale M5

NeXtScale M5

 新製品群が実現する高い処理性能は、仮想化ワークロードやデータベースワークロードにおける世界記録達成という卓越した結果にもつながっている。また、仮想化ワークロードにおける消費電力効率でも世界記録を打ち立てている(いずれも2016年5月9日時点の記録)。

インフラ構築をサポートするリファレンスアーキテクチャー

 データセンターを構築する際のリファレンスアーキテクチャーとして発表されたのは、「Lenovo Cloud Reference Architecture for VMware Software Defined DataCenter」 リンク)と、「Lenovo Cloud Reference Architecture for Red Hat OpenStack」 リンク)だ。いずれも検証済みのソリューションとなり、迅速なインフラ構築を実現する。
 VMware向けのリファレンスアーキテクチャーでは、Software Definedのクラウド環境をVMwareとレノボのソリューションで提供可能になる。VMware vRealize SuiteとLenovo XClarityの連携による管理工数の削減や、ポリシーベースの構成の迅速なプロビジョニングも実現する。同様にRed Hat向けのリファレンスアーキテクチャーを利用すれば、クラウド基盤の容易な構築が可能になる。「リファレンスアーキテクチャーは、当社が提供しているサーバー構成ツール『レノボ x86サーバー コンフィグレーター』とも連動するため、パートナーさまが提案される際にも役立つでしょう」(武田氏)
 リソース管理ソリューションであるLenovo XClarityも強化された。Lenovo XClarityは、GUIによるハードウェア管理を可能にし、新規サーバーのセットアップからOS導入までの作業を6分程度で完了させられる。「手作業ならば1時間はかかる作業を大幅に短縮できるのです」と武田氏はその効果を解説する。新たにThinkServerとスイッチの管理を可能にしたり、モバイルアプリケーションの用意でいつでもどこからでもLenovo XClarityにアクセスできるようになった。サーバーの消費電力の管理や解析も実現している。

パートナーとエコシステムを作り上げる

 新製品群の提供に欠かせないのが、パートナーの存在である。上原氏は「データセンターという存在を考えた場合、当社の製品だけでは、お客さまのニーズに100%応えることはできません。パートナーさまが提供するソリューションとの組み合わせによってはじめて、お客さまが望むインフラ構築や、データセンターを活用した価値創造が実現するのです。そのためにも、パートナーさまとともに、データセンターソリューション提供におけるエコシステムを構築していきます。」と意気込みを話す。
 レノボはエコシステムを作り上げるために、すでにさまざまな施策を始めている。例えば、データセンター向けソリューション提供の基礎を固めるべく、各ベンダーとのエンジニアレベルでの協業をグローバルで拡大させている。新たにリファレンスアーキテクチャーの提供を開始したVMwareやRed Hutに加えて、すでにマイクロソフト、SAP、インテル、IBM、ジュニパーネットワークスなどとも協業を始めている。
 リセラーやISV/IHV、サービスプロバイダーなどのパートナーとともに需要を発掘していく「Lenovo Togetherプログラム」もスタートさせた。セミナーやイベントなどを共同で開催するなど広範囲なマーケティング活動を展開したり、エンジニア同士によるトレーニングや情報共有など技術的な活動や共同検証の場を設ける。第1弾のプログラムは開始されており、VMwareやRed Hut、マイクロソフト、クラウディアン、データコア・ソフトウェアなど13社が参加。各社と協業開発したソリューションも生み出されている。
 充実したサポートサービスもレノボとパートナーによるデータセンターソリューションの販売を後押しするだろう。レノボのサーバー製品については24時間365日3年間の保証(*)が標準で添付し、日本全国72拠点から日本IBMによる保守が提供される。「お客さま視点に立ったサービスであり、安心して製品を運用できるという声をいただいています」と上原氏は胸を張る。さらに、リモートによるテクニカルサポート、データセンター構築における高密度システムやクラウド環境の電源・冷却に関する計画・評価、ラボでの検証といったソリューションサービスも用意されている。
 データセンターグループへの事業部名の変更とともに新たなスタートを切ったレノボは、新製品群、パートナーと作り上げるエコシステム、そして充実した保守・テクニカルサポート体制によって、データセンター時代のビジネスチャンスを開拓していく。

(*) 一部対象外製品あり

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