株式会社JAPANNEXT

コストパフォーマンスが高い製品を
豊富にラインアップする液晶メーカー
JAPANNEXT ベッカー・サムエル氏インタビュー

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モニターは日々の業務で頻繁に使用されています。ハイブリッドワークが定着した現在では、オフィスだけでなく自宅や出張先でも活用することがあるでしょう。どんな場所でも作業効率を上げるには、モニターの画面サイズや解像度が重要になってきます。加えて、2画面以上のマルチモニター環境を構築できれば、さらに業務効率の向上が行えます。そうしたモニターに関する多様なニーズに応えられるのが、JAPANNEXTです。本記事ではJAPANNEXTで代表取締役/CEOを務めるベッカー・サムエル氏に話を聞き、JAPANNEXT設立の背景や顧客の多様なニーズに応えられる秘密に迫っていきます。

モニターへのこだわりが今につながる

 JAPANNEXTは、多種多様なモニターやモニターアクセサリーを提供する日本の液晶メーカーです。ベーシックなものからニッチなものまで、毎週多数の製品をリリースしていることが特長です。2024年は166製品、2025年は7月上旬時点で100製品を販売しています。

 そうした特長を持つJAPANNEXTは、2006年に設立し、2016年からJAPANNEXTブランドでの製品展開を開始しました。では、JAPANNEXTはどのような経緯で設立して、なぜJAPANNEXTブランドを展開するに至ったのでしょうか。JAPANNEXT 代表取締役/CEO ベッカー・サムエル氏は、同社の創立のきっかけを次のように話します。

  「私はフランスのプロバンス地方で生まれ育ち、15歳のころから夏休みはだいたい日本で過ごしていました。こうした体験から日本に住みたいと思うようになり、フランスの大学を卒業した後に、文部科学省が実施する海外の留学生を受け入れる制度『国費外国人留学生制度』を利用して慶応義塾大学に入学しました。そこから大学院に進学したのですが、小さいころから『日本で起業したい』という夢があったため、在学中の23歳の時に起業しました。それが現在のJAPANNEXTにつながるスタートです」

 起業した当初は、日本のゲーム製品やエレクトロニクス製品などの輸出ビジネスを行っていました。事業は徐々に拡大し、輸入事業や国内の家電・PCのEC販売事業なども手がけるようになりました。

 事業を進める中でベッカー氏は、次第に「他社の物を売るだけではなく、自分が好きな物に集中して、自分が作った物を売りたい」という思いを抱くようになりました。

「当時はビジネスのほかに、トレーディングもしていました。トレーディングでは複数のチャートなど、一度にたくさんの情報を見ます。私はモニターを4~5台くらい使ってトレーディングをしていましたが、複数のモニターではなく、一つの大きなモニターで作業ができたらいいなと思っていました。そこからいつか、超大型の4K曲面モニターを出したいと夢見るようになったのです。大型だけでは使いづらいので、当時存在しなかった大型4Kの曲面モニターの企画に着手しました。加えて、日々どんな事業を行う中でもモニターを使用していたので、モニターに対してはさまざまなこだわりがあったんですね。そうした思いを踏まえて、2015年に当時行っていた事業を売却し、その資金で2016年からJAPANNEXTブランドを開始しました」(ベッカー氏)

高コストパフォーマンスの秘訣とは

 2016年にJAPANNEXTブランドで初の液晶モニターを発売した後、顧客が求めやすい価格で製品を提供することで、JAPANNEXTは順調に売り上げを伸ばしていきました。現在では主要な販売店や販売サイトなどで、TOP3に入る実績を上げています。

 ベッカー氏は、JAPANNEXTの強みを「当社の強みはたくさんありますが」と前置きした上でこう話します。「まずは商品の多さです。USB Type-C給電対応モニター、大型モニター、高解像度のモニター、ウルトラワイドモニターなど、お客さまの多様なニーズに応えられる豊富な製品ラインアップを用意しています」

 JAPANNEXTは、常時200種類以上の製品ラインアップをそろえています。そのため、顧客からのリクエストにぴったりな1台を見つけ出すことができるでしょう。加えて比較的少ないロットでも新製品開発が行えるため、企業向けの案件においても、台数が少ない場合はオリジナルモデルの開発依頼も可能です。

「モニターは常に新しい技術が登場しています。当社は販売サイクルの縛りがないので、新技術を安定させて製品化するまでの期間が他社よりも短いのです。そのため、どこよりも早く新技術を搭載した製品を販売できることも強みの一つです」(ベッカー氏)

 さらにモニターだけでなく、大型モニター用のスタンドやモニターアームなどもお求めやすく提供しています。モニター自体もコストパフォーマンス高く提供しているため、共に購入するスタンド類も手に入れやすい価格で展開しているのです。

 加えて、ベッカー氏は「コストパフォーマンスが高い点も、JAPANNEXT製品の強みです」と強調します。「当社は社内で自作したシステムを使って、マーケットリサーチをしています。このシステムのおかげで、現在市場にはどのような製品が必要とされているかといった、マーケットの分析がいち早く行えています。マーケットリサーチの費用と時間を大きく削減しているので、購入しやすい製品を顧客に提供できているのです。マーケティングのほかにも、広告にかけるコストをカットしたり、最新のパネルやパーツの価格が安いうちに製品化を進めたりすることで、コストパフォーマンスが高い製品のリリースに成功しています」

 現在、JAPANNEXTの本社は千葉県いすみ市にあります。廃校となった旧中川小学校を市から購入し、2022年12月から社屋として利用しています。

 さらにはいすみ市をはじめ、南房総の自治体とも連携を深めて、地域密着の会社として活動しています。例えば、いすみ市のふるさと納税の返礼品として、モニターのリファビッシュ品を提供しています。ほかにも、JAPANNEXT本社の最寄り駅である上総中川駅のネーミングライツを購入して「JAPANNEXT 上総中川駅」にしたり、いすみ鉄道でJAPANNEXTのラッピングトレインを走らせたりなどの活動も行っています。

 また、小学校に特別支援学級で使用するモニターを提供したり、社屋のグラウンドを利用して年に1~2回お祭りを開催したりしています。お祭りのほかにも地域の人々が参加できるイベントを多く開催し、いすみ市を盛り上げています。さらにはJAPANNEXTの社員数を増やすことで、いすみ市の雇用を増やすことにも貢献しているのです。

 ベッカー氏は、こうした地域貢献を行う理由について次のように話します。「いすみ市に限らず、日本の地方は人口がどんどん減っています。そうした地方で起業しようと思う人はなかなかいません。そうしたほかの企業がなかなかやっていないこと、そしてやりたくないようなことこそ、当社はやりたいと思っています。東京からいすみ市までは車で1時間ほどしかかからないので、都心からのアクセスも優れています。海も山もあり、閑静で奇麗ないすみ市を、私は魅力的に感じています」

効率を上げるデュアルモバイルモニター

 多数の製品をリリースするJAPANNEXTが、現在お薦めしている製品の一つが、デュアルモバイルモニターです。2025年7月時点では15.6インチの「JN-DMD-IPS156F」、18.5インチの「JN-DMD-IPS185F」、23.8インチの「JN-DMD-IPS238F-C4」の3モデルをラインアップしています。

 ベッカー氏は、デュアルモバイルモニターのお薦めポイントをこう話します。「デュアルモバイルモニターは、ノートPCをもう1台持つような形で持ち運べます。外出先でも画面が一気に3画面になって、業務効率が大幅に上がるのです。メール、Webサイト、表計算ソフトなどを行き来することなく、常に全て表示させたまま仕事ができます。無駄な時間が削減され、画面をいちいち切り替えるストレスも軽減されるでしょう。デュアルモバイルモニターがあれば、どこでも仕事がしやすい環境を作り出せます」

 JN-DMD-IPS156F、JN-DMD-IPS185F、JN-DMD-IPS238F-C4は全てモニターを立てて使える「自立式キックスタンド」を搭載しているため、省スペースで利用可能です。さらに本体は折りたためるので、仕事が終わった後は引き出しにしまっておくこともできるのです。サイズ違いの3モデルをラインアップしていることを活用し、飛行機での移動中は15.6インチのJN-DMD-IPS156F、出張先のホテルでは23.8インチのJN-DMD-IPS238F-C4を使うなど、シーンによってデュアルモバイルモニターを使い分けてもよいでしょう。

 さらにJN-DMD-IPS156F、JN-DMD-IPS185F、JN-DMD-IPS238F-C4は、画面の向きを上下反転する「表示画面フリップ」機能を搭載しています。デュアルモバイルモニターはテント型に立たせることもできるため、表示画面フリップ機能を使えば、対面の相手に正確な向きで画面を見せられます。営業の際、片方の画面で顧客にプレゼン画面を見せながら、同じ画面を自分で確認することも可能です。「営業マンにとって、デュアルモバイルモニターは良いパートナーになるでしょう」と、ベッカー氏は笑います。

 最後にベッカー氏は、ダイワボウ情報システム(DIS)の顧客に向けて、次のようなメッセージを語りました。「当社は多種多様なモニターをラインアップしているので、お客さまが本当に求めている1台を提供できます。台数が多い案件であれば、オリジナルの製品を作成することも可能です。他社では作れない製品を作り出せるので、ぜひお気軽にご相談ください。また、自然溢れるいすみ市の本社にも遊びに来てほしいですね」

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