AWS 第46回『Amazon Quick - “探す・分析する・動かす”をもっと簡単に』

こんにちは、DIS AWS推進チームです。

生成AIの活用が広がる中で、
・社内にデータはあるのに、うまく活用できていない
・レポート作成や情報収集に時間がかかる
・AIを業務に取り入れたいが、何から始めればよいかわからない
といったお悩みをお持ちの企業も多いのではないでしょうか。

実際の業務では、必要な情報がExcel、PDF、社内システム、SaaS、データベースなどに分散しており、担当者が複数の画面を行き来しながら情報を集め、分析し、報告資料を作成しているケースが少なくありません。
また、BIツールを導入していても、使いこなせる人が限られてしまい、現場での定着が進まないという課題もあります。

そこで注目したいのが、AWSが提供する Amazon Quick です。
Amazon Quickは、データ分析、ナレッジ活用、レポート作成、業務フローの自動化を、AIエージェントの力で支援するサービスです。これまで人が手作業で行っていた「探す」「分析する」「まとめる」「実行する」といった業務を、よりスムーズに進めるための新しい選択肢として活用できます。

本コラムでは、Amazon Quickの概要と、業務でどのように活用できるのかをご紹介します。

Amazon Quickとは

Amazon Quickは、業務上の質問に素早く答え、その結果を次のアクションにつなげるためのエージェンティックAIシステムです。
従来のBIツールや検索ツールのように、ユーザーが自分でデータを探して分析するだけでなく、AIエージェントがデータやナレッジを参照しながら、回答、分析、レポート作成、ワークフロー実行を支援します。

たとえば、ダッシュボードを見ながら「今月仕入れが最も多かったカテゴリは?」「売上が落ちている要因は?」「上司に報告するための要約を作って」と自然な言葉で質問し、その結果をレポート化する、といった使い方が想定されます。

Amazon Quickでできること

① データを自然言語で分析できる

Amazon Quickの大きな特徴は、専門的なBI操作やSQLの知識がなくても、自然言語でデータに問いかけられる点です。
従来であれば、データの抽出、加工、グラフ化、考察の作成をそれぞれ人が行う必要がありました。Amazon Quickを活用すると、ユーザーは見たい観点を言葉で伝えるだけで、AIエージェントが必要な情報をもとに分析や可視化を支援します。

これにより、データ分析が一部の担当者に依存しにくくなり、営業、企画、経理、物流など、さまざまな部門の担当者が自分の業務に必要なデータを活用しやすくなります。

② 社内ナレッジを横断的に活用できる

日々の業務では、マニュアル、社内規程、過去の提案書、議事録、FAQなど、多くの情報が複数の場所に保存されています。
しかし、必要な情報を探すだけで時間がかかり、「誰に聞けばよいかわからない」「過去資料が見つからない」といった状況が起こりがちです。

Amazon Quickでは、SharePointやOneDrive、Amazon S3などに分散して保存されているマニュアル、社内規程、提案書、議事録、FAQなどをナレッジベースとして取り込み、生成AIによる検索機能を活用することで、保存場所を意識することなく、自然な言葉で必要な情報を横断的に検索することが可能です。

③ 定型作業を自動化できる

Amazon Quickは単に質問への回答を生成するだけでなく、Amazon Quick FlowsやAmazon Quick Automateを活用することで、日常的に繰り返される定型作業や業務プロセスを自動化することが可能です。

例えば、毎週・毎月の定型レポート作成、データをもとにした報告内容の作成、請求書処理など、複数の作業を組み合わせたワークフローをAIによって効率化できます。また、Quick Flowsでは日次・週次・月次などのスケジュール実行も設定できます。

さらに、Amazon Quick Automateでは、人による確認や判断が必要となる業務についてHuman-in-the-loopのタスクを組み込み、担当者によるレビューや承認を経て後続の処理へ進むような業務プロセスを構築することも可能です。

Amazon Quickが向いている業務シーン

Amazon Quickは、特に以下のような業務に向いています。

業務シーン よくある課題 Amazon Quickで期待できること
経営・事業企画 複数データを集めて分析するのに時間がかかる 売上、在庫、顧客情報などを横断的に確認し、示唆を得やすくする
営業部門 提案前の情報収集や資料作成が属人化しやすい 過去資料や顧客情報をもとに、提案準備を効率化する
経理・管理部門 請求書確認や転記などの定型業務が多い 繰り返し作業のフロー化・自動化を支援する
物流・店舗運営 在庫状況の確認と判断に時間がかかる ダッシュボードをもとに不足・余剰の傾向を把握しやすくする
情報システム部門 AI活用の全社展開イメージが湧きにくい データ活用・ナレッジ活用・業務自動化の入口として検討できる

Amazon Quickを検討する際のポイント

Amazon Quickを活用するうえで重要なのは、いきなり大規模に展開するのではなく、まずは対象業務を絞って試すことです。
たとえば、以下のような観点で整理すると検討しやすくなります。

・どの部門の業務を対象にするか
・どのデータを使うか
・現在どの作業に時間がかかっているか
・AIに任せたい作業と、人が判断すべき作業をどう分けるか
・セキュリティや権限管理をどのように設計するか

Amazon Quickは、データ活用やAI活用を一気に全社展開するための魔法のツールというよりも、既存の業務プロセスを見直しながら、「人が判断する部分」と「AIが支援できる部分」を整理するきっかけとして有効です。

また、AWS Skill Builderでは、Amazon Quickのトレーニングとして「Amazon Quick for Sales Professionals」といった講座があり、Quickの概要や主要機能から始まり、それぞれのユースケースなども含めて体系的に解説されています。
その他にもオペレーション担当者向けの講座やハンズオン形式の講座などもございます。まずは学習コンテンツやデモを通じて、実際の操作イメージを掴むところから始めるのもよいと思います。

まとめ

この記事では、Amazon Quickについてご紹介しました。

Amazon Quickは、データ分析、社内ナレッジ活用、レポート作成、ワークフロー自動化をAIエージェントで支援するサービスです。
これまで人が時間をかけて行っていた「情報を探す」「データを分析する」「資料にまとめる」「次の作業に移す」といった業務を、より効率的に進めるための選択肢になります。

特に、データはあるものの活用しきれていない企業、BIツールの定着に課題を感じている企業、生成AIで業務改善につなげたい企業にとって、Amazon Quickは検討価値のあるサービスです。

次回は実際の画面イメージやデモシナリオをご紹介します。


最後までお読みくださりありがとうございました。
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