監視カメラと“顔認証”の組み合わせで
入退室管理、防犯、見守り、おもてなしを新次元に

監視カメラに写った人物をリアルタイムで特定可能にする顔認証システムは、入退室管理や防犯、見守り、おもてなしといった分野で新たな管理体制を可能にする。顔認証システムというと従来までは空港や大規模なイベント会場などで利用されるイメージが強かった。しかし、世界No.1の顔認証技術（精度・速度）(※2）を有するNECが、67万円（税別）から(※1)という手頃な価格で導入できる「顔認証システム導入セット」を提供している。さまざまな施設や店舗で、顔認証革命を巻き起こしそうだ。

　施設への入退室管理や店舗の防犯などでは、多くの場合、監視カメラが利用されている。入退室が可能な人物の確認や店舗の監視をリアルタイムに行うためには、出入り口に人物を配置したり、監視モニターで監視カメラの映像を常時誰かが見たりしなければならない。こうした体制では、人的コストがかかり、見逃しなどのミスも生じてしまう。また、不審な人物を後から確認するためには、長い録画データを見直さなければならない。

　このような課題を解決できるシステムとして現在注目を集めているのが顔認証システムだ。カメラに写った人物の顔を検出し、登録した顔のデータと照合して人物を高精度に特定する。特定後は、その人物に応じて自動ドアを開けたり、通知システムと連携して管理者に通知したりする。システムが機械的に人物を特定してくれるため、人的リソースが削減できる。また、カメラに写った人物のログデータが顔写真付きで残せるため、後からでも顔認証システムにより確認が行える。

　NECはバイオメトリクス（生体）認証のパイオニア企業であり、1989年から顔認証システムの開発を手がけてきた。同社の顔認証技術の精度や速度は世界No.1(※2)で、2008から2009年、2010年、2012から2013年に実施された米国政府が主催する技術コンテストで3連覇を達成した。技術力の高さが評価されて、同社の顔認証システムは出入国管理を中心に、40カ国100システム以上で活躍している。

　NECが満を持して提供を開始したのが顔認証システム導入セットである。

　利便性やセキュリティ面での貢献度の高さから、エンターテイメント施設や大規模なイベント会場で顔認証システムが導入された実績もある。ただし、これまでは導入コストが高く、運用にも専任の管理者が必要になるなど、一般的な企業や店舗が導入するにはハードルの高いシステムだった。そうした中でNECが提供する「顔認証システム導入セット」は、67万円（税別）から(※1)と手頃な価格で導入が可能になる。

　顔認証ソフトやOS、データベースソフトがプリインストールされたサーバーが基本セットとして用意されている。ネットワークカメラ台数は6台まで対応。12月からはタブレットを利用した入退室管理を可能にするセットモデルも用意された。ネットワークカメラは最大6台、タブレットは最大8台のセットモデルがある。これらの基本セットに加えて、オプションとしてPoEスイッチやディスプレイ、LAN I/Oモジュール（電子錠連携用）なども用意されている。

　昨今、施設内や街中に監視カメラシステムを設置しているユーザーは少なくない。そうしたユーザーにとって顔認証システム導入セットは、サーバー1台の設置とカメラの設定等の現地調整だけで顔認証の利活用を可能にする。システムの構築作業も少ないため、導入検討を気軽に行える。また、顔認証からの通知をトリガーに対策を講じられるので、リアルタイムに特定人物を確認する運用が行える。まさに、NECの顔認証システム導入セットは、顔認証という仕組みを小規模な企業や店舗でも導入可能にした先進的なソリューションと言えるのだ。

　それでは顔認証システム導入セットの実際の利用シーンと、具体的な効果を解説していこう。

---施設の入退室管理　自動ドアと連携し解錠
　施設の入退室管理においては、顔認証システム導入セットとオプションのLAN I/Oモジュールを組み合わせることで、登録されている人物であれば自動的にドアを解錠するような仕組みを構築できる。個人の顔で認証するため、ICカードを利用した入退室管理で生じるICカードの貸し借りによるなりすましなども防げる。また、ICカードの発行コストや紛失といった問題も解決できる。入退室可能な人物をシステムが自動的に判断するため、管理者の人的コストを低減できる。

---店舗の防犯対策　要注意人物の来店をリアルタイムに把握(※3)
　店舗では商品の盗難被害が売上の数％に上ることもある。同じ人物による被害も多い。そのような場合は、顔認証システム導入セットを導入しておけば、その人物が監視カメラを配置した出入り口から入店した際に警備員や店員にメールなどで通知を送れるようになる。対象人物の来店をリアルタイムに把握できるため、声掛け等の対応が可能になる。また、顔認証システム導入セットでは顔画像付きのログを残せるため、再来店した際にも通知可能だ。

---介護老人福祉施設の見守り　迷子になる前にかけつけられる
　介護老人福祉施設などでは、入居者が一人で外出してしまって迷子になってしまうケースがある。このような場合でも、顔認証システム導入セットを導入すれば対策が可能だ。入居者の顔をシステムに登録しておけば、該当する入居者が外出しそうになった際に、管理者などに連絡できる仕組みを構築できるからだ。こうした仕組みがあれば、入居者の家族も安心して過ごせるようになる。

---ホテルのおもてなし　VIPを認識して手厚い接客を可能に
　VIPへのきめ細やかな接客という課題はどこのホテルでも抱えているだろう。しかし、24時間体制で稼働するホテルでは、接客力のある従業員を受付などに常時配置することは難しい。そのため、従業員がVIPを認識できないケースが少なくない。こうしたケースでも顔認証システム導入セットにVIPの顔データを（本人の同意を得て）登録しておけば、VIPが入口に近づいた際に従業員にVIPの来館を通知できるようになる。24時間いつでもVIPへの手厚いおもてなしが可能になるのだ。また、備品の盗難や宿泊料を払わないなどの被害に対しても、当該者を登録することができれば、入館時に気づけるようになるため、被害を低減することができる(※3)。

顔認証システム導入セットの概要と利用シーン

　一般ユーザーに新たなメリットをもたらす顔認証システム導入セットは、販売パートナーにとっても新たなビジネスチャンスを提供する商材となる。

　上述したように顔認証システム導入セットは、入退室管理、防犯、見守り、おもてなしといったさまざまな側面で新たな価値を生み出す。そのため、従来の監視カメラユーザーに加えて、新たなユーザーの開拓が期待できる。提案の際には、販売パートナーは顔認証システム導入セットの基本セットだけでなく、ネットワークカメラ、スイッチ、ディスプレイ、LAN I/Oモジュール、表示灯といった製品も合わせて訴求できるようになる。

　また、勤怠システムや顧客管理システムとの連携といったSIビジネスにもつなげられる。顔認証システム導入セットは、ハードの販売やシステム構築を促すソリューションでもあるのだ。さらにNECは顔認証システム導入セットの導入支援サービスとして「導入展開支援サービス」を用意しているが、導入時の設置・設定については販売パートナーが自社でサービス提供することも可能だ。

　このように、顔認証システム導入セットを商材として扱えば、販売パートナーはハードやSI、導入支援サービスなどの多彩な提案が可能になる。NECの顔認証技術の実績と67万円から（※1）という顔認証システム導入セットの低価格さが、販売活動を力強く後押ししてくれるだろう。

顔認証システム導入セットのさらに詳しい内容は以下をご覧下さい