HPC, AI, Data Analysis データの激増でサーバーはもっと売れる!?(4)

エッジコンピューティングにおけるAI、GPU活用をいち早く進めるHPE

エッジコンピューティングにもAI、GPUを

高密度サーバーApollo System

 HPCやAI、ビッグデータ分析用途として日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)が用意しているのは、「HPE Apollo System」だ。「高密度性能やGPU対応、コストパフォーマンスを求めるお客さまに最適な製品です」とHPE データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 第一営業統括本部の高橋 健氏は話す。GPUを搭載できるサーバーシステムを探していくうちにHPE Apollo Systemにたどり着く顧客が多いという。そのラインアップは、以下の通り。

・「HPE SGI 8600 System」……クラスター型HPCシステム、水冷式
・「HPE Apollo 6500 System」……ディープラーニングをターゲット
・「HPE Apollo 6000 System」……ラック規模のHPC環境を高いコストパフォーマンスで実現
・「HPE Apollo 4000 System」……Hadoopなどのビッグデータ分析用途に最適
・「HPE Apollo 2000 Gen10 System」……2U4ノード、柔軟性とコストパフォーマンスを両立、GPUにも対応
・「HPE Apollo 10 シリーズ」……ディープラーニングや混在HPCワークロードを部門単位で実現、HPE Apollo sx40がNVLink対応、HPE Apollo pc40がPCIe対応、HPE Apollo kl20はXeon Phiプロセッサー対応

「HPE Apollo 6500 Systemは高密度設計で1サーバートレイあたりGPUを8基搭載可能と、非常にアグレッシブな製品です。GPUはNVIDIA Tesla P100やV100をサポートしています」と高橋氏。市場の状況については次のように話す。「GPUに対応したサーバーシステムのニーズは一般企業においても伸び始めています。ディープラーニングで何かを生み出したい、そのために、対応サーバーを1台導入してテストしてみるような段階に入っているのです。そうした企業に対しては、小規模から始められるHPE Apollo 10 シリーズなどもオススメですね」

日本ヒューレット・パッカード データセンター・ハイブリッド クラウド事業統括 第一営業統括本部 第二営業部 HPCスペシャリスト 高橋 健 氏

ディープラーニングをエッジで実現

 AIやディープラーニングの活用領域として、エッジコンピューティングにも注目が集まっている。IoTのシステムで収集されるセンサーデータが膨大に生み出されるこれからは、データセンターやクラウドよりもモノに近い場所(エッジ)でデータを処理する必要性が生じてくる。センサーに近い場所でデータ処理を行えれば、リアルタイムのデータ分析が容易になり、迅速なアクションを起こせるようになるからだ。

 そうしたエッジコンピューティングを実現する製品としてHPEでは、「HPE Edgeline Converged IoT System」(以下、HPE Edgeline)を発表している。HPE EdgelineはGPUに対応していて、ディープラーニングなどの処理をエッジ側で実現し、リアルタイムな意思決定を可能にするシステムだ。現場向けの耐環境性能も備えている。

「HPE Edgelineを利用したエッジコンピューティングによって、コストや帯域の圧迫といったクラウドへのデータ転送におけるさまざまな課題を解決できます。同時に、データの賞味期限切れやアラート検知遅れなど回避し、リアルタイムで効果的なアクションにつなげられるのです」(高橋氏)

「HPE Apollo 6000 System」

「HPE Apollo 6000 System」

「HPE Edgeline EL1000」

「HPE Edgeline EL1000」

産業用AIパッケージを提供

 HPE Edgelineは、最大64基のXeonコアを搭載できる「HPE Edgeline EL4000」、最大16基のXeonコアを搭載できる「HPE Edgeline EL1000」、インテル Core i 5プロセッサーを搭載する「HPE Edgeline EL20」、インテル Atomプロセッサーを搭載する「HPE Edgeline EL10」で構成されている。HPE Edgeline EL10やEL20でデータの一次処理を行い、HPE Edgeline EL1000やEL4000で高度な処理を行うイメージだ。すでにHPEでは、NTTコムウェアと協業してHPE Edgelineを活用した産業用エッジAIパッケージの提供を開始している。それが、NTTコムウェアのディープラーニング技術を活用した画像認識AI「Deeptector」をHPE Edgelineにプリインストールして提供される「Deeptector」だ。Deeptectorを導入することで工場の製造ラインにおける製品の外観検査を自動化できるようになる。

 HPCやAIといった領域に対してHPE Apollo SystemやHPE Edgelineという製品を提供するHPEは、AIフレームワークの導入支援や、高いコストパフォーマンスの実現、他社に先駆けた協業ソリューションなどの提供によって市場をリードしていくという。

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