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Wireless 第39回 「Catalyst9100シリーズのCAPWAPからEWCへの切り替え時の注意点」

 こんにちは。TEと申します。
 
 今回はCAPWAP(AP機能のみ)からEWC(仮想コントローラ内蔵)への切り替え時の注意点についてです。
 
 昨今では半導体不足の影響により、Catalyst9100シリーズ(EWC-AP)を含むあらゆる製品の納期遅延が発生しております。その影響もあるのかCatalyst9100シリーズのCAPWAP型番をEWCとして利用したいといった問い合わせがいくつかございましたので、その手順と注意点についてご紹介させて頂きます。

 EWCとCAPWAPって何?と思われた方はこちらの記事で簡単にご紹介しておりますので、そちらをご覧頂ければ幸いです!
 
 CAPWAPからEWCに変換する手順につきましては、既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、シスココミュニティの下記ページより日本語で紹介されております。
Cisco Catalyst 9100 Series AP を EWC に変換する方法

 基本的には、こちらに記載されている手順を実施いただければ問題はないのですが、実際に検証してみると上手くいかないケースがございましたので、そのケースと対処法についてご説明させて頂きます。

 まず、前提としましてCatalyst9100シリーズをCAPWAPからEWCに変換する際は、Cisco.comからOSダウンロードが可能な(SmartNet Total Careなどの)保守契約が必要となりますのでご注意ください。

 続いて手順についてですが、シスココミュニティページの手順4ではEWCイメージへの変換を行うために以下の様にコマンドを実行してくださいと記載がございます。
 しかしながら、実際にやってみると「ewc-ap」というコマンドが弾かれて実行できないケースがございました。このような事象はアクセスポイントがAireOS(古いCAPWAPイメージ)で稼働している場合に起こることがございます。

 続いて対処方についてです。
 Catalyst9100シリーズ(CAPWAP型番)は、AireOSの古いCAPWAPイメージで出荷されることがございますので、EWCに変換する前にまずはCAPWAPイメージのバージョンを確認します。
 現在のOSイメージは、以下のコマンドより確認可能です。
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AP(MACアドレス)#show version
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 show versionコマンドの出力結果にAP Running Imageが17.x.x.x16.x.x.xと表示されている場合は、シスココミュニティページに記載されている手順通りにそのまま実施頂ければEWCへ変換できるかと思います。
一方でAP Running Image:8.x.x.xと表示されている場合は、古いCAPWAPイメージで動作している為、EWCに変換する前にまずは、新しいCAPWAPイメージへの入れ替えが必要です。

 古いCAPWAPイメージの場合は、C9100シリーズのLightweight AP Software(C9105の場合はap1g8-k9w8-tar.153-3.JPK2.tarなど)をhttps://software.cisco.com/download/homeからダウンロードし、下記コマンドにより新しいCAPWAPイメージへの入れ替えを行います。
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AP(MACアドレス)#archive download-sw /reload tftp://(サーバip)/(APイメージのパス)

実際のコマンド例:
AP(MACアドレス)#archive download-sw /reload tftp://192.168.1.10/ap1g8-k9w8-tar.153-3.JPK2.tar
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※OSをダウンロードするには有効なSmartNet Total Careなどの保守契約が必要です。
※APとOSイメージが保存されたTFTPサーバ間の疎通ができている事が前提です。

 この手順によりCAPWAPイメージのアップデートができれば、あとはシスココミュニティページに記載されている手順を実施する事でCAPWAPからEWCに変換する事が可能になります。もしEWCへの変換でコマンドが入らない等ございましたら、今回の内容を参考にしてみて下さい。

 また、今回の内容を含めた詳細な手順につきましては、下記DISオリジナルコンフィグガイドにまとめておりますので、こちらも是非ご参照ください。
https://www.idaten.ne.jp/portal/page/in/DIS/cisco2/technology/03/3111.pdf
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 今回は以上となります。
 引き続き宜しくお願いします。

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