技術情報
とよぢぃのねっとあっぷ四方山話 第14回
DISのとよぢぃと申します。
『ねっとあっぷ四方山話・ネットアップの製品紹介(4)』をお届けします。
2025年3月に製品紹介(1)として当時のFAS/AFF/ASAシリーズについてご紹介させていただきました。当時は旧モデルから新モデルへの入れ替わりの過渡期と言うこともあってそれぞれのシリーズに新旧両モデルがあってものすごく多くのモデルがあった時期です。2026年に入って各シリーズの旧モデルが一通り販売終了となり、製品ラインアップがだいぶスッキリしたので、今回は改訂版の製品一覧をご提供しておこうと思います。
そぉそぉ、それから従来からあるFAS/AFF/ASAシリーズに加えて、2025年10月に発表された新シリーズのAFXシリーズも簡単にご紹介しておくことにしますね。
【FASシリーズ】
FASシリーズはSASやNL-SASと言ったHDD(ハードディスクドライブ)での構成が基本のシリーズで、ファイル(NAS)やブロック(SAN)だけでなくオブジェクトにも対応した真のユニファイドストレージです。FASが 1台あればファイルストレージとしても、ブロックストレージとしても、さらにはオブジェクトストレージとしても同時に使用可能です。
モデルラインアップですが、ローエンドは旧モデルから引き続きFAS2750とFAS2820です。
ミッドレンジから上のモデルで旧モデルが一掃されて新モデルのみになりました。
FASシリーズの最上位モデルはFAS90、つづいてFAS70とFAS50になりますが、FAS70がミッドハイ、FAS50がミッドローみたいな位置づけです。
なお、SASディスク構成で新規に導入できるモデルは、FAS2750とFAS70(要DS224Cシェルフ)だけです。これら以外のモデルではSASディスク構成での新規導入はできません。旧モデルからのアップグレードであれば旧モデルで使用していたSASディスクを継続して使用することが可能です。新モデルである程度のパフォーマンスが必要な場合はSASディスク構成ではなく、NL-SAS+NVMe SSDでFlashPool構成にすることになります。
それからFAS90とFAS70には内蔵ドライベイがないのでドライブシェルフの接続が必須です。FAS50は内蔵ドライブベイにNVMe SSDを搭載することができますが、このNVMe SSDはFlashPool用として使用することになるので、ストレージとしてはドライブシェルフが必要です。FAS2820とFAS2750については従来通り内蔵ドライブベイとドライブシェルフの追加による構成が可能です。
【AFF Aシリーズ】
AFF Aシリーズですが、もともとはFASシリーズのそれぞれのモデルをSSDだけで構成したものでした。現在ではAFF専用にリリースされているモデルが増えてきています。AFF AシリーズはFASシリーズと同様ユニファイドストレージであり、TLC SSDベースという非常に高性能なオールフラッシュストレージになります。また、AFF Aシリーズで使用するSSDの接続インターフェイスはNVMeなのできわめて低レイテンシーなストレージ環境を提供することができます。
モデルラインアップは上からAFF A1K、AFF A90、AFF A70、AFF A50、AFF A30、AFF A20の6モデルです。最上位モデルのAFF A1Kには内蔵ドライブベイがないのでドライブシェルフの接続が必須です。AFF A90とAFF A70には48個のドライブベイがあります。また、AFF A50、AFF A30、AFF A20には24個の内蔵ドライブベイがあるのでこれらのモデルでは本体だけでの使用も可能です。
なお、旧モデルからのアップグレード時のみ、これらのモデルに旧モデルで使用していたDS224Cを接続してNVMeインターフェイスではないSSDを接続することができます。
【AFF Cシリーズ】
AFF CシリーズはAFF Aシリーズのローエンドからミッドレンジ相当のシステムで、使用できるSSDをNVMe接続の QLC SSD(ネットアップはこれを「キャパシティフラッシュ(CF)」と呼んでいます)に限定したストレージとなります。
キャパシティフラッシュの1本あたりの容量は15.3TBから61.4TBと非常に大きいので、ある程度大きな容量のシステムでAFF Aシリーズほどの性能(低レイテンシー)が必要ないけどFASのNL-SAS(FlashPool)構成よりは性能の高いストレージが欲しいというようなケースに最適なストレージ環境を提供できるシリーズになります。AFF Aシリーズに対するセカンダリやDRサイト用にも適したストレージとも言えるかと思います。
キャパシティフラッシュは1本あたりのサイズが大きいので実効容量の微調整は難しいところがありますが、容量さえ合えばとてもコストパフォーマンスに優れたストレージになります。
モデルラインアップは上からAFF C80、AFF C60、AFF C30の3モデルで、AFF C80は48個、AFF C60とAFF C30はそれぞれ24個の内蔵ドライベイを持っています。なお、AFF Cシリーズにはキャパシティフラッシュ以外のドライブを接続することはできません。
【ASA Aシリーズ】
ネットアップのストレージと言えばユニファイドが大きなウリの一つですが、ASA AシリーズはユニファイドであるAFF Aシリーズからファイルとオブジェクトの機能を抜き、さらにブロック(SAN)に特化したエンハンスを加えたストレージシリーズです。ユニファイドでサポートしているブロックと比べるとパスの切り替え等がグンと早くなっていて、これまで他社のブロック専用ストレージにかなわなかったミッションクリティカルなアプリケーション領域でも対等以上のパフォーマンスを発揮することができます。
モデルラインアップは上からASA A1K、ASA A90、ASA A70、ASA A50、ASA A30、ASA A20の6モデルです。モデル名からわかるとおりAFF AシリーズをSAN専用にしたものとなります。
【ASA Cシリーズ】
ASA CシリーズはAFF Cシリーズのブロックストレージ版と言いたいところですが、残念ながらちょっと違います。まぁ、ASA Cシリーズはシリーズとは言ってますが、現在リリースされているモデルはASA C30だけしかありません。ハードウェア的にはASA A30とAFF A30は基本的に同じですが、ASA C30とASA A30はちょいとばかり異なるところがあったりします。
なお、使用できるドライブはAFF Cシリーズ同様、キャパシティフラッシュだけですが、ASA C30では61.4TBのキャパシティフラッシュはサポートされていません。15.3TBと30.7TBだけです。
【AFXシリーズ】
AFXシリーズは2025年10月にAFX 1Kが、2026年6月にAFX 2Kがリリースされたばかりのネットアップの新しいストレージシリーズです。外見はAFF Aシリーズと同じ色のシマウマモデルです。ハードウェアの内部構成もAFF Aシリーズと基本的には変わりません。AFX 1KはAFF A1Kの一つのノードと基本構成は同じですが、AFX 2Kに相当するAFF Aシリーズのモデルは今のところリリースされてません(予定があるかどうかもわかりません)。OSもONATPなので従来のFAS/AFFと同じなんですが、ストレージシステムとしての全体構成(クラスタ構成)がかなり大きく変わってます。これまではHAペアとそれに紐づくストレージをベースにクラスタを組んでましたが、AFXでは最終的にはノードはHAペアから独立してますし、ストレージ部分もこれまでのようにHAペアに紐づけられているわけではありません。ネットアップはこれを「disaggregated ONTAP」と呼んでいます。
当面はそれぞれのノードに対して対になるHAのパートナーノード(障害時のフェイルオーバー先)が割り当てられますが、最終的にはすべてのノードがすべての利用可能なストレージ領域を共有する形になり、任意のノード間でのフェイルオーバーが可能になる予定とのこと。なお、現状AFXではブロックプロトコル(SAN)はサポートされません。とりあえず、サポートの予定もないようです。ファイル(NAS)とオブジェクトがサポートされます。
AFXについてはこれまでのFAS/AFFとはシステム全体としてのアーキテクチャが大きく異なるので、別途ご紹介の場を用意しようと思います。
さて、モデル名だけではモデル選定の参考にはならないので、きわめてざっくりですが、性能と容量でFAS/AFF/ASAをマッピングした表を以下につけておきます。ご参考まで。
FAS/AFF製品の大まかな位置づけ
ASA製品の大まかな位置づけ
今後も新しいものをどんどん生み出し続けるネットアップにご期待ください!
