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とよぢぃのねっとあっぷ四方山話 第13回

とよぢぃのねっとあっぷ四方山話

DISのとよぢぃと申します。
『ねっとあっぷ四方山話・コラム(3)』をお届けします。

先日Nutanixの外部ストレージとしてネットアップのFAS/AFFがサポートされることが発表されました。ということで、この場をかりてNetApp+Nutanixのアライアンスについてご紹介しておこうと思います。
Nutanixに多少なりともご興味のある方はすでにおわかりかと思いますが、数年前からNutanixはストレージベンダーのストレージ製品を外部ストレージとして接続することをサポートし始めています。2024年にDELL、2025年にはPure Storage(現Everpure)のストレージ製品のサポートを発表しました。そして、今年2026年、ついにネットアップもNutanixの外部ストレージとして対応すべくネットアップとNutanixのアライアンスが発表されました。今年の後半(年末くらいになるかも…)には導入が始まるのではないか思われます。
さて、NutanixといえばHCI(Hyper Converged Infrastructure)の先駆けなわけです。Nutanixはサーバ/ストレージ/ネットワークを1つのシステム、いわゆるアプライアンスとして提供することで、導入から保守に至るまでを1ストップ化、そして運用も含めてユーザの負担を最小化したわけです。まぁ、拡張とか増設とかなければそれはそれで全く問題なかったわけですが、拡張や増設を行おうとするとHCIのシステムごと追加導入しなければいけなくて、ストレージ容量だけの増設をしたかったのにコンピュートノードも増設する羽目になったり、逆に性能を上げるための増設なのにコンピュートノードだけでなくストレージも追加することになったりとユーザにとっては余分な投資になってしまっていたわけです。へたにコンピュートノードが増えるとその上で動いているソフトウェアのライセンスフィーも上がったりして、とても大きなコスト増になってしまうこともありました。その後、ネットアップはじめいくつかのベンダーがHCI製品を出しました。ネットアップのHCIはすでに販売終了になってますが、dHCI(disaggregated HCI)なるちょっと「イミフ」な製品カテゴリーを世に出したりました。dHCIでは増設や拡張の際に必要なものを必要なだけ追加することができたのでそれはそれで便利だったわけですが、「Hyper Converged」なのに「disaggregated」って何よ、と言うちょっと(おおいに?)イミフな感じは拭えなかったですね。HPEは今もdHCI製品を出しているのでdHCIというアーキテクチャはそれなりに浸透(?)しているのかも知れませんが。

さてNutanix。自社のハードウェアアプライアンスだけでなくサードパーティ(DELL、HPE、Lenovo、Cisco、Fsas)のサーバ製品にNutanixのソフトウェア(OS)を載せられるようにしてシェアを大きく伸ばしています。まぁ、ハードウェア依存度の低いOSならではの戦略ですね。そして、最近になって出てきたのがストレージはストレージ専業ベンダーの製品を使えるようにしようという発想。とてもいい発想ですよね、Nutanix。餅は餅屋、蛇の道は蛇と言ったところでしょうか

と、まるでNutanixのコラムみたいになってしまいましたが、ここからはネットアップメインで!
ネットアップが再度HCI製品を出すわけではありませんが、Nutanixとのアライアンスで外部ストレージとしてネットアップのAFFシリーズやFASシリーズのストレージをNutanixで使えるようにしようというものです。実際にソリューションとして提供されるのは今年の秋以降になりそうですが、ネットアップに先んじて同様のソリューション提供を始めているDELLやEverpureとの比較をしてみようと思います。DELLやEverpureとNutanix(Nutanix Cloud Platform、NCP)との連携については以下のNutanixのBlogにも簡単にかかれています。

さて、まずはDELL。DELLは外部ストレージの提供以前にNutanixのプラットフォームとしてPowerFlexシリーズを提供してきました。今年夏(もう間もなくなのかな)にはPowerStoreシリーズを外部ストレージとして使用できるようになる予定です。Nutanixとの接続はNVMe over TCPになるものと思われます。実はDELLにはVxRailというVMwareベースのHCI製品があるんですが、これがVMwareライセンスのコスト増の影響をもろに受けてるんですね。で、DELLはVxRailユーザの移行先受け皿としてNutanix on PowerFlexを提供し、さらにストレージ部分の柔軟な拡張ができるようにするためにFlexScaleの接続をできるようにしたわけです。ということでこのソリューションの直接的なターゲットは既存のVxRailユーザであり、VxRailのサブスクリプションコストの上昇の影響を受けているユーザになると思われます。まぁ、もともとHCI製品を持っていたDELLの発想ということですね。

次にEverpure。EverpureはFlashArrayシリーズ(//XL、//X、//C)をNVMe over TCPでNutanixと接続するようになっています。Everpureはネットアップ同様ストレージ専業ベンダーですから、DELLのようにコンピュートノードとしてのサーバ製品があるわけではないので、自社製品で困っているユーザの受け皿のような発想はありません。Flashベースの高速なストレージ製品(FlashArrayシリーズ)をNutanixのNCP(Nutanix Cloud Platform)に接続し、NutanixのPrismと言う管理コンソールで一元管理できるようにしようというものです。

そしてネットアップ。ネットアップもEverpure同様ストレージ専業ベンダーなのでDELL VxRailのようなストーリーはとりあえずありません。外部ストレージとしてのネットアップの利用は単にストレージ拡張だけでなく、ハイパーバイザーの置き換えを目的として設計されています。Nutanixを選択するユーザは、ハイパーバイザーとしてVMwareを置き換えることになるわけですが、コンピューティング環境の変化はあくまでも結果であり、目的ではありません。EverpureやDellの場合は主に容量拡張のためのものです。ネットアップの取り組みは、まずネットアップストレージを既に導入しており、ハイパーバイザーとしてVMwareをNutanixに置き換えたいと言うユーザ向けに設計されています。新たなネットアップハードウェアは必要なく、既存のネットアップストレージをNutanixに直接接続できます。新規の設備投資が必要なく、既に所有している資産の活用であり、ハイパーバイザー移行の過程で既存のストレージ投資とスキルセットがそのまま使えるのでROIを向上させることができます。ユーザにとってのメリットは複雑なハイパーバイザーの移行作業中に並行してストレージの移行作業を行う必要がないことです。
Nutanixと外部ストレージの接続について見てみましょう。先にも書きましたが、NutanixとDELL PowerStoreやEverpure FlashArrayとはNVMe over TCPでの接続になります。このNVMeというプロトコルは非常に高速で低レイテンシーなプロトコルなんですが、なにもアクセラレーションやオフロード機能のないTCP/IP/Ethernet環境で使用すると、その速さゆえホスト側(クライアント側)のCPUなどにかかる負荷は大きくなります。まぁ、その負荷の増大が使用感に与える影響はホストの性能やアプリケーション等に依存しますが。それから、ネットワークインフラ的には専用のスイッチとかは必要なく既存の10GbE(できれば25GbE以上が望ましい)等のネットワークインフラで賄えますが、ちょっと古めのホストシステムだとそもそもNVMeプロトコルをしゃべれなかったりするのでNVMe over TCPでの接続はどちらかと言うと新規導入システム環境向けと言えます。
ネットアップストレージ(AFFやFAS)とNCPとは当初NFSでの接続になります。もちろんネットアップもNVMe over TCPはサポートしていますが、NCPとの接続でNVMe over TCPが使用できるようになるのは少し後になるようです。NFSで接続することにより、レガシーなホストやネットワークベースの既存環境でも導入しやすくなっています。また、NVMe over TCPはブロックアクセスになるわけですが、NFSによるファイルアクセスの方がネットアップの持っているランサムウェア対策(ARP/AI)などの機能もより有効に活用することができます。
NFS接続のもう一つの大きなメリットはVMの移行にあたってネットアップが提供するSHIFTというツールキットが利用できることです。例えば、VMwareのESXi上のVMをNutanixに移行するには以下のようにとてもシンプルな手順で可能です。

出典:Nutanix & NetApp - Shift Toolkit | NetApp Coffee Break 06/2026

さらにSHIFTツールキットですが、移行にかかる時間が非常に短いのも特徴です。ネットアップストレージ上でデータのコピーや移動が発生しないので移行するVMのサイズに依存することなく、数分で移行できます。通常であればVMの移行にはVMのサイズや個数に依存してかなりのダウンタイムが必要になりますが、ネットアップのSHIFTツールキットなら非常に短いダウンタイムで移行後の環境を立ち上げることが可能となります。

いかがですか、ネットアップ+Nutanix。特に、ストレージとしてすでにネットアップを使用しているVMwareユーザの方々はNutanixへの移行がとてもスムーズに行えるうえ、これまでの投資がまったく無駄になることがありません。まだリリースまでには少し時間がありそうなのでハマりそうなユーザの方はこの機会にこのソリューションについてご検討してみてはいかがでしょう。このソリューションから目が離せません。絶対に注目です?


今後も新しいものをどんどん生み出し続ける NetApp にご期待ください!

とよぢぃ